苫小牧市美々の御前水ゴルフ倶楽部(18ホール)がようやく再建のスタート台に立つ。一部会員らが昨年12月に札幌地裁による更生計画決定に即時抗告で異議を申し立てていたことについて札幌高裁は24日までにこの抗告を却下したことが分かった。関係者によると、同倶楽部は既に暫定営業を始めていたが、即時抗告却下によって名実ともに本格的なオープンを迎える。(2年ぶりに本格再建のスタート台に立つ御前水ゴルフ倶楽部)
御前水ゴルフ倶楽部(GC)の再建は二転三転した。2011年3月にまず運営会社の美々リゾート開発(蔦森清克社長)が民事再生を申請。しかし、前経営者が引き続き経営することに会員らが納得せず、会員有志は「会員の権利を守る会」を結成して反発。12年3月の債権者集会で民事再生計画案が否決され、代わって「守る会」は会社更生法による再建を模索。一時はスポンサーが見つからず札幌地裁は更生法申請を棄却したが、「守る会」は即時抗告で時間の猶予を得ながら全国的にゴルフ場を運営するアイランドゴルフ(東京)をスポンサーとしたことで地裁は会社更生法による再建の開始決定を出した。それが同年の6月だった。
同12月19日には、地裁が更生計画を認可決定し再建がいよいよ本格的にスタートするかに思われたが、またしても一部会員らが「アイランドの運営はパブリック制による低価格路線。更生計画案で示された中身と違う」として即時抗告により更生計画の認可決定の取り消しを同高裁に求めた。
即時抗告の結果次第では再建のスタート台が遠のく事態も予想されたが、同高裁は4ヵ月かかって即時抗告却下の判断を示した。
再建の足並みが乱れ続けた御前水GCだったが、最初の民事再生申請から2年と1ヵ月でようやく本格再建にたどり着いたことになる。
同GCでは、4月中旬から暫定営業を始めていたが、即時抗告却下で名実ともに再建の始まりとなることから6月中にはクラブハウスやコースの補修を終えてグランドオープンする予定。
更生計画認可決定に即時抗告していた会員の一人は、「賛同者は100人を超えているため、よく話し合って今後の対応を決める」と語っている。