北海道の経営者交流会「一への会」が「北海道ニューフロンティア経営セミナー」、ラピダス小池淳義社長ら講演

経済総合

 札幌の経営者交流組織、「一への会」(水戸康智会長=萌福祉サービス社長)は2023年9月25日、「2023北海道ニューフロンティア経営セミナー」を札幌市中央区のロイトン札幌で開催した。今回のテーマを『新しい時代を切り拓く。』として、通販大手ベルーナ社長の安野清氏、元WBC日本代表監督の栗山英樹氏、半導体工場の北海道進出で注目を集めているRapidus(ラピダス)社長の小池淳義氏ら3人が登壇。それぞれテーマにふさわしい講演を披露し、聴講者たちの関心を集めた。(写真は、講演するラピダスの小池淳義社長)

 冒頭、主催者を代表して「一への会」の水戸康智会長が、「設立41年目を迎えた当会を時代にフィットさせ、活動をアップデートしていく」などと挨拶した後、トップバッターとして安野氏が『健全なる冒険』と題して講演。通販をメインに多くの事業を手掛けてきたこれまでの歴史と現状を紹介し、「ほとんどの事業はゼロからのスタート。失敗したものもあったが、先人に学びリスクを管理することで成功できた」と説明。現在、同社は道内で開業予定を含む7つのホテルを手掛けており、買収した定山渓ビューホテルなど旧カラカミ観光系列のリゾートホテル3ヵ所を「今後2、3年かけてリノベーションし魅力を高めていきたい」と今後の計画を明かした。

 今年3月、WBCで日本代表チームを優勝に導いた栗山氏は『マネジメントを極める~WBCから学ぶ~』と題して講演。最初に、「皆さん、日本代表チームの戦いに感動していただけましたか」と聴衆に語りかけ、激闘の裏にあった数々の秘話を披露した。中でも強調していたのは、MLBで最も経験を積んでいるダルビッシュ有投手の存在。いち早く代表チームに駆け付け、若手選手に積極的にアドバイスしたり食事会を開いたりするなど、「チームを一つにしてくれた功績は大きかった」と日本代表に対する貢献を讃えていた。

 セミナーのトリを飾ったラピダスの小池氏は『シン・半導体の世紀と人類の未来~シンギュラリティは近い』と題して講演。車やパソコンを引き合いに、半導体がいかに広く使われているかを説明しながら、我が国にとって次世代半導体開発がいかに重要であるかを強調。今後、加速度的に技術革新が進み、人工知能のレベルが上がることで「2045年には、AIが人間の知能をはるかに凌駕し、人間社会に莫大な影響を及ぼす転換点(シンギュラリティ)が訪れるでしょう」と、来るべき未来に備えることが必要だと力説した。
 コロナ禍を経て4年ぶりとなった今回のセミナーでは、1000人を超える聴衆が会場に足を運び、熱心に耳を傾けた。

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