札幌市北区屯田9条12丁目の新琴似第5横通を斜めに横断する橋梁が、不思議な景観を生み出している。橋梁の西側が途中で寸断され、周りとの調和を欠いた不自然さを際立たせているからだ。工事が生み出したこの非日常な造形は、しばらくの期間続く。(写真は、整備が進んでいる「屯田・茨戸通」の屯田高架橋)
この橋梁は、人工水路の安春川と新琴似第5横通を跨ぐ橋梁。2010年から工事が始まった屯田・茨戸通の唯一の高架区間でもある。屯田・茨戸通は、創成川通(国道231号)と花川通を結ぶ約4・5㎞の新たな都市計画道路(4車線)で、石狩市と札幌市北区の境界付近の西茨戸、屯田町をカーブと直線で防風保安林を横切りながら進むように計画されている。
この界隈は、市街化調整区域で札幌の原風景のような空間が広がるが、すでに道路工事が着々と進められている。市街地と隣接しているものの、幹線道路から離れているため、工事が行われていることに気づかない市民も多い。
そうした中、人目につくのがこの橋梁。屯田・茨戸通の工事が行われていることを示す、シンボルのような役割を果たしている。橋梁工事は、片側2車線分で先行して進んでおり、もう片方の橋脚には橋板がまだ架かっていない。屯田・茨戸通の供用が始まるのは2026年度の予定。しばしの間、この造形を眺められる。