30%強値上げで地域最安値を1ヵ月で返上、利用者をバカにした「タイムズ駐車場」の姿勢

社会・文化

 最大料金が地域最安値だった札幌市中央区の「タイムズ時間貸し駐車場」が、2023年6月1日から30%強の値上げを実施した。物価高騰の影響をあまり受けないような時間貸し駐車場が、オープンからわずか1ヵ月で最安値を返上したわけだが、では、最初の料金設定は何だったのか。利用者をバカにしたような値上げに反発が高まっている。(写真は、地域最安値を1ヵ月で返上した「タイムズ南1東4第2」)

 札幌市中央区南1条東4丁目の「北海自動車工業本社ショールーム」跡地が、時間貸し駐車場「タイムズ南1東4第2」として利用が始まったのは2023年4月末。中心部への徒歩圏内で24時間最大料金が900円と、この近辺では最安値だった。このため利用者が多く、「満」のサインが灯ることも多かった。

 しかし、オープンからわずか1ヵ月、6月1日から24時間最大料金が1200円に値上げされた。値上げ幅は30%を超える大きさだが、料金変更の告知は、精算機や料金看板にひっそりと貼られているだけ。値上げの理由などは一切書かれていない。30%を超える大幅な引き上げにも関わらず、その理由を明示しない「タイムズ」の姿勢は、利用者への配慮が感じられない。

 そもそも、最初の料金設定に問題があったのではないか。「タイムズ南1東4第2」の近辺にある「タイムズ」は、24時間最大料金がいずれも1500円~1700円だ。これらの駐車場よりも収容台数が57台と多く、稼働率を勘案した結果の900円だったようだ。それが、わずか1ヵ月での値上げ。利用者の不満が高まるのは無理もない。

「タイムズ」など全国大手の時間貸し駐車場運営会社は、地域の駐車場料金の相場を決める指標になっている。しかし、料金設定は利用者目線よりも、土地所有者への目線が優先されているようだ。そうした中での値決めには、相場を引き上げている印象も色濃い。

 札幌大通地下駐車場を所有運営している市の出資団体、札幌都市開発公社は、値上げには慎重だ。利用者の負担増に繋がり、「さっぽろ地下街」利用者の減少も懸念されるためだ。そこには、「タイムズ」にはない利用者目線がある。あっさりと30%強の値上げを強いる「タイムズ」は、利用者を見下しているとしか言いようがない。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER