マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2023年の6回目は、豊平区西岡3条9丁目の旧パチンコ店「クラブジェイ西岡店」。(写真は、解体工事が進んでいる旧「クラブジェイ西岡店」)
水源池通沿いに立地していたパチンコ店「クラブジェイ西岡店」は、2023年2月15日に閉店した。水源地通は、1909年に鹿の踏み跡を利用して西岡水源地から月寒の独立歩兵連隊まで引いた、水道の維持管理用として造られた道路がもとになっている。西岡から国道36号線までは緩やかなアップダウンと緩やかなカーブが連続しており、鹿の踏み跡を利用した道路というのもうなずける。
1976年11月に「大丸スーパー(後にラルズマート)西岡中央店」がオープンし、1980年代に隣接して「クラブジェイ西岡店」がオープンした。2014年2月に「ラルズマート西岡中央店」が閉店、同年12月にその跡地に「スシロー豊平西岡店」が開店するなど、周囲は変化を遂げる。そんな流れの中で、「クラブジェイ西岡店」は役目を終えた。
パチンコ店の建っている土地約650坪は、個人所有から2022年2月にシグマ(札幌市西区)の所有になったが、閉店後の同年3月にテーシー・コア(同市中央区)が取得している。解体工事は、そのテーシー・コアが注文者になって同年4月から始まった。解体工事は西武建設運輸(函館市)が行っている。工期は同年6月30日まで。テーシー・コアは、商業用不動産賃貸などを展開しており、解体後には新たに商業施設が誕生しそう。