アークス2023年2月期連結決算、売上高過去最高、利益は過去3番目級「健闘した業績で安堵」

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 アークス(本社・札幌市中央区)は4月14日、2023年2月期の連結決算を発表した。売上高は5662億900万円、営業利益は148億3500万円になった。この期から収益認識に関する会計基準(新基準)を適用しているため、2022年3月期との単純比較をしていないが、同期を新基準で計算すると、1・7%の増収も6・9%の営業減益だった。営業利益率は、2・6%で同水準。売上高は旧基準で過去最高、利益面は過去3位級と好決算だった。配当は1円増配して年間58円とする。(写真は、決算発表を行うアークス・古川公一取締役副社長執行役員)

 道内6社の既存店売上高は、第1四半期0・7%増、第2四半期1・4%減、第3四半期1・6%増、第4四半期3・0%増となった。2022年3月以降の行動制限緩和で、外食や百貨店に人流が戻りSM(食品スーパー)は苦戦したが、第3四半期の10月以降に売り上げが回復。昨年秋口以降は、電力をはじめとするエネルギーコストの上昇が家計を圧迫、外食を控えるなどしてSMに客足が戻ってきたという。

 また、客数に関しても、道内6社は、第1四半期1・5%減、第2四半期3・2%減、第3四半期1・1%減だったが、第4四半期は0・6%増となり、「これまでは客数の前年割れが続いてきたが、ラルズを筆頭にお客が戻ってきた。昨年10月以降は客数が回復傾向にある」(古川公一取締役副社長執行役員)。

 道内各社の客単価は通期で2・4%増、1点単価も4・0%増となった。1人当たりの買い上げ点数は、第1四半期1・1%減、第2四半期1・1%減、第3四半期1・5%減、第4四半期2・7%減だった。「上半期の減益を下半期の増益で一定程度カバーできたが、若干カバーしきれず増収減益となった。電力コストはグループ全体で前の期よりも29億円増加した割には減益幅がこの程度で収まり、他のSM各社の業績から見て、健闘した結果となり安堵している」(同)。アークスオンラインショップは、順調に推移しており、昨年11月以降は黒字化している。

 主要子会社の業績は、次の通り。
▷ラルズ 売上高1408億2000万円(2022年2月期比3・2%増) 営業利益70億3900万円(同6・5%増)
▷ユニバース 売上高1309億7100万円(同1・9%増) 営業利益49億7100万円(同8・0%減)
▷ベルジョイズ 売上高800億2400万円(同1・9%増) 営業利益3億7200万円(同0・8%増)
▷道北アークス 売上高435億6800万円(同2・3%増) 経常利益5億5400万円(同28・9%増)
▷福原 売上高420億8800万円(同0・8%増) 経常利益13億円(同2・7%減)
▷東光ストア 売上高393億8000万円(同0・6%減) 経常利益8億7600万円(同10・0%減)
※道北アークス、福原、東光ストアの営業利益は開示していない。

 2024年2月期は、売上高5820億円、営業利益148億円と2・8%の増収、0・2%の営業減益を見込む。既存店売上高は3%増を予定、「電力コスト増は25億円、人件費増は24億円と見込んでいる。売り上げ増で粗利を増やし、コスト増をカバーしたい」(古川氏)としており、既存店売上高を増やすためCGC商品の強化、産地との連携などの取り組みを強化する。

「横山(清)社長から、高い目線の計画が必要とグループ内に号令がかかった。そういう意味では各社とも背伸びした予算になっている。各社には今まで以上の取り組みが求められる」(同)とした。設備投資は、109億1300万円で、新店は道北アークスの小型店「ダ・マルシェ」2店舗とユニバースの八戸市内2店舗で、リニューアルはグループ全体で30店舗を予定している。
 

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