ネクタイの「銀座田屋札幌アピア店」、60余年の札幌展開に一旦終止符

経済総合

 ネクタイをはじめとする、紳士洋品の老舗「銀座田屋」を展開する田屋(本店・東京都中央区)は、1月15日で「銀座田屋札幌アピア店」(札幌市中央区)の営業を終了した。札幌に進出してから62年目で一旦、終止符を打ち、北海道新幹線札幌駅開業に向けた工事が落ち着いた段階で再度出店を検討する。(写真は、1月15日で閉店した「銀座田屋札幌アピア店」)

「銀座田屋」は、1904年創業の老舗で、ネクタイをはじめシャツやジャケットなど自社工房の生地を使って織っている。札幌には1962年8月にHBC三条ビル(中央区)に出店したのが最初。その後、1975年8月に札幌パルコ(同)に移転、1978年8月には当時の札幌エスタ二番街(同)にも店舗を出店、札幌2店舗体制になった。1999年10月に札幌エスタ二番街がアピアに改称されたため、「札幌アピア店」に店舗名を改めた(その後、札幌パルコの店舗は閉店)。2019年3月には「札幌アピア店」を全面改装した。

 札幌展開を始めてから62年間におよび、「札幌アピア店」は、1978年8月にオープンした、前身の札幌エスタ二番街から数えて45年間にわたって営業を続けてきた。札幌アピアの中でも数少ない、オープン当初からのテナントだった。

 閉店の理由は、コロナ禍による人流抑制の影響が響いたことと、新幹線開業に伴いエスタの解体建て替え工事が始まり、人の流れが変わることへの懸念から。近隣の商業施設への移転も検討したというが、マッチする空き店舗がなかったことも閉店を決めた理由。

 田屋は、「銀座田屋札幌アピア店」の閉店に伴い、常連顧客約6000人に閉店セールの告知はがきを郵送、約1ヵ月半の期間に何度も来店したお客もいたという。閉店数日前から札幌入りした田屋の梶原都美江専務は、「多くのお客さまに支えられていた店舗だったということをあらためて実感しました。お客さまへの感謝の気持ちで自然と涙があふれてきました。駅の再開発工事が落ち着いた段階で、再度出店を検討したい」と話していた。「銀座田屋」の店舗は、「銀座本店」(東京都中央区)と「ニューオータニ店」(同都千代田区)の2店舗になる。

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