値上げラッシュが相次ぐ中で、食品などの生活必需品の安売りを全面に押し出す「ドン・キホーテ」や「業務スーパー」、「トライアル」など国内ディスカウント店市場が、2022年度で初の4兆円規模になることが、帝国データバンク(本社・東京都新宿区)の調べで分かった。(写真は、11月25日にオープンした「ドン・キホーテすすきの店」)
ディスカウント店は、コロナ禍での感染予防対策商品や巣ごもり需要で2020年度は好調だったが、2021年度は、市場は拡大しつつも伸び率は、前年を下回る水準だった。しかし、2022年度に入り、夏以降に食品や日用品の値上げラッシュの影響で物価高が表面化。消費者の節約・低価格志向が強まり、ナショナルブランド(NB)品を低価格で販売するディスカウント店各社の売り上げ増が、目立つようになった。
ディスカウント店各社は、NB品の価格引き下げ、低価格のプライベートブランド(PB)品を展開するなど、消費者の低価格マインドを取り込むことに注力している。帝国データバンクによると、2008年度のディスカウント店の店舗数は1175店、市場規模は1・7兆円だったが、その後、右肩上がりで伸び続け、2021年度は2939店、3兆7930億円になり、2022年度は3000店を超え、4兆円規模になる見込みとしている。
また、ディスカウント大手10社の店舗数は、2022年3月時点で2939店で、コロナ前の2019年度から291店増加。店舗新設は2022年度に入っても続いており、2023年3月までに、過去最高となる3000店を超える見通しとしている。
飲料、酒類、ティッシュやトイレットペーパーなど生活用品が来年2月にかけて再び一斉値上げされる予定となっており、帝国データバンクでは、低価格を武器とするディスカウント店の需要が今後も高まるとして、2022年度以降も引き続き市場の成長が期待できるとしている。