千歳市幸町4丁目30にある千歳タウンプラザの解体工事が始まった。旧ちとせデパートとしてスタート以降、紆余曲折を経て市中心部の商業施設など一定の役割を果たしてきたが、建物竣工から40年間の歴史に終止符を打つ。(写真は、解体工事が始まった千歳タウンプラザ)
千歳タウンプラザは1982年、千歳市中心部の再開発を目的に千歳市や地権者がエスプラザとして竣工させた。核店舗は、地元商業者らが出資したちとせデパートだった。ちとせデパートは、旧ダイエーのフランチャイズ店舗として運営してきたが、オープンから17年後の1999年に自己破産。
その後、当時、新千歳空港ターミナルビルを所有運営していた北海道空港(本社・千歳市)が土地建物の一部を所有、運営を北海道空港グループのセントラルリーシングシステム(同・札幌市中央区、以下セントラル社)が担うことになった。
2005年に家具店のスイートデコレーションなどが入った千歳タウンプラザとして営業を再開したものの、集客力に難があり商業施設は撤退。セントラル社は、2016年12月に「あそびのくにピッピちとせ」、「千歳インドアパークゴルフ場」、「まちライブラリー@千歳タウンプラザ」などをリーシングして営業を再開。
しかし、2020年になって新型コロナウイルスの感染拡大により利用者が激減、2021年3月までにいずれの施設も撤退して営業を終了した。その後も中心街コミュニティセンターやYESパソコン学院などが営業を継続。市のワクチン接種会場にもなっていたが、2022年7月頃までにすべて閉鎖された。
土地は、千歳市とちとせデパート関係者の所有だったが、2022年5月にちとせデパート持ち分などを北海道空港が取得、2018年3月に北海道空港持ち分をセントラル社が取得、2022年4月には千歳市の持ち分もセントラル社が取得した。土地面積は約1903坪(6282・69㎡)。
解体工事は、今年9月26日から始まっている。発注者はセントラル社、設計、監理はドーコン(本社・札幌市中央区)、施工は東急・宮坂・千歳特定建設工事共同企業体。解体工事は、2023年6月30日に終了する。セントラル社は、解体後に10階建て、約90戸の賃貸マンションを計画している。千歳市の中心市街地の趣は、大きく変わる。