人気リゾート地として世界に知られるニセコ。中でも代表的な地域であるひらふ坂周辺の住居表示が、10月1日から変わった。長年続いてきた倶知安町字山田の一部が、ニセコひらふ1条1丁目のように条丁目となり、その後に街区符号と住居番号が続くようになった。(写真は、倶知安町字山田地区にあるひらふ坂から見える羊蹄山)
倶知安町の役場周辺など中心部では条丁目に街区番号、住居番号が続く住居表示を採用しているが、リゾート地周辺では土地の地番をそのまま採用して住所にしていた。このため、ひらふ坂周辺は、字山田〇番地〇という表示が長年続いていた。しかし、リゾート地として開発が進み、建物が多く密集するようになり、飛び地や欠番のある地番では郵便や宅配便の遅配や誤配、さらに救急車やパトカーが目的地に到着するまでに時間を要するなど、日常生活にも支障をきたすようになってきた。
このため町では、2021年8月から住民や事業者への説明会を開催、住居表示審議会も5回開催するなどして2022年3月に町議会の承認を経て住居者に通知。8月に告示して、きょう10月1日から住居表示制度が開始されることになった。
具体的には、字山田のひらふ坂付近から尻別川に掛かるサンモリッツ大橋付近までが対象で、ひらふ坂付近から同大橋方面に向かって、ニセコひらふ1条、2条、3条、4条、5条と続く。1条は1~4丁目、2条は1~3丁目、3条は丁目はなく、4条は1~3丁目、5条は1~4丁目に分かれる。住所が地番から住居表示に変わることにより、マイナンバーカードや本籍表示、年金加入住所、運転免許証の住所変更は、個人が行うことになっている。
世界的リゾート地であるニセコを擁するのは倶知安町とニセコ町だが、山田地区や花園地区といったニセコの代表的な地域は倶知安町に位置する。今回、住居表示の採用によって、初めて倶知安町内にニセコを冠した住所が生まれることになった。ニセコを知っている人は多いが、倶知安町を知っている人はそれほど多くない。倶知安町にニセコひらふの住所が生まれることで、「ニセコがある倶知安町」という認識が広まることも期待できそう。