マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の33回目は、中央区南21条西14丁目の「札幌南21条郵政宿舎」。(写真は、解体工事が進んでいる「札幌南21条郵政宿舎」)
「札幌南21条郵政宿舎」は、札幌市電の走る福住・桑園通沿いにある3階建ての建物。札幌中央図書館にも近い閑静な山鼻地区の一角にある。解体工事は2022年6月20日から始まっており、8月31日まで続く。解体工事を行っているのは、札真重機工業(札幌市北区)。解体工事の注文者は、長谷工不動産(本社・東京都港区)。
敷地は西側3分の2が準住居地域、東側3分の1は第2種中高層住居専用地域となっている。準住居地域は、容積率300%、建蔽率60%、33mの高度地区。第2種中高層住居専用地域は、容積率200%、建蔽率60%、33m高度地区となっている。また、ロープウェイ入口電停周辺地区として景観まちづくり推進地域でもある。建物解体後、長谷工不動産は敷地をどう利活用するか、注目される。
日本郵便(本社・東京都千代田区)は、札幌中心部にあった「札幌南7条郵政宿舎」や「札幌南30条郵政宿舎」の解体工事も行っており、そのうち「札幌南30条郵政宿舎」の解体工事が完了、更地になっている。今後は、閉鎖している「北海道郵政研修センター」(中央区南20条西15丁目1-1)、約3000坪の行方にも関心が集まりそうだ。