35期連続増収増益(株式上場後では32期)、国内外総店舗数800店舗を超えたニトリホールディングス(HD、札幌本社・札幌市北区、東京本社・東京都北区)。東京に続き、札幌でも5月19日の株主総会後にそれらを祝う式典が行われた。こうした上昇基調の中で国内物流拠点再構築の第1歩として「石狩DC」(仮称)が間もなく竣工する。(写真は、竣工が近いニトリの「石狩DC」)
(写真は、「石狩DC」着工前の敷地)
昨年オープンした「コストコホールセール石狩倉庫店」や「イオン石狩PC」に近い石狩市新港南2丁目725-2。広大な工業流通団地「石狩湾新港地域」の一角にニトリHDの「石狩DC」が姿を現わしている。地上1階建てのため遠くから見ると“平べったい”印象があるが、近くで見ると1階建てとは言いながら通常の2階建てのような高さがある。一辺の長さは優に200mを超える。行けども行けども建物が続く印象がある。目下、竣工に向けて最終的な点検作業が行われている。
ニトリHDの北海道の物流は現在、「札幌DC」(札幌市手稲区)で行われている。このDCの外壁には今は見かけなくなった鳥のマークが描かれている。物流増加に対して、これまでは「札幌DC」の増設や外部倉庫の賃借、他の物流センター拠点との在庫分散などで対応してきた。しかし、今後もニトリ店舗の出店が続くことや電子商取引(Eコマース)需要の拡大など物量の増大が見込まれるほか、CO2排出抑制など環境負荷低減の必要性から、新たに「石狩DC」の建設に踏み切った。
「石狩DC」の敷地面積は3万1661坪(10万4664㎡)、延べ床面積2万3228坪(7万6786㎡)。昨年5月24日に着工、2022年5月30日(月)の竣工を予定している。「石狩DC」は、国内物流拠点再構築の第1歩となる。これに続いて今年11月には「神戸DC」(仮称、神戸市中央区、ポートアイランド内)、2023年11月には「名古屋DC」(仮称、愛知県海部郡飛島村)、2024年3月には「幸手DC」(仮称、埼玉県幸手市)が竣工する予定。
「石狩DC」が建設される1年前には、ところどころに低木が生える何もなかった土地が広がっているだけだった。わずか1年で様変わりした光景は、ニトリHDの成長スピードをそのまま示しているようだ。
※DC=ディストリビューションセンター、在庫保管型物流センターの略称