文化庁の登録有形文化財に登録されている江別市文京台緑町561番2の「北海道林木育種場旧庁舎」を利用したカフェ「サッポロ珈琲館Ebetsu Rinboku」が、5月11日(水)にオープンする。先駆けて4月には同店を運営する珈房サッポロ珈琲館も本社を札幌市西区から同庁舎内に移転しており、今後は江別市を拠点にコーヒーの総合専門企業として活動を積極化する。(写真は、「サッポロ珈琲館Ebetsu Rinboku」が営業を始める「北海道林木育種場旧庁舎」)
「北海道林木育種場」は、1927年11月に内務省所管の林業試験場として建てられた2階建ての建物。1957年に林野庁北海道林木育種場となり、1996年に新庁舎が建てられるまで、道内林業の研究施設として利用されてきた。新庁舎に移転後の2001年に文化庁の登録有形文化財に登録され、2002年には江別市が国から購入して市民や観光客に開放してきた。市内に現存する数少ない大正から昭和初期にかけての建築物の一つ。江別市内にある文化庁の登録有形文化財には、この他、「旧北陸銀行江別支店」、「旧肥田製陶工場(EBRI)」がある。
市は2020年に「北海道林木育種場旧庁舎」の保存・活用事業者を募集して珈房サッポロ珈琲館と契約、20年間の無償貸与を決めていた。同社は、昨年から内装改修工事を行い、今年4月に本社を移転、5月11日に「サッポロ珈琲館Ebetsu Rinboku」をオープンすることになった。旧本社と併設していたサッポロ珈琲館の「本店」(札幌市西区)は、昭和初期に建設された旧北海道工業試験場第2庁舎を改装して利用しているほか、「平岸店」(同市豊平区)は、1936年にリンゴ選果場として建てられた軟石倉庫を利用している。今回の「北海道林木育種場旧庁舎」の利用により、歴史的建造物を生かしたカフェ展開は3店舗目になる。
※2022年5月7日、読者の指摘により記事一部修正しました。サッポロ珈琲館「月寒店」(札幌市豊平区)も「とよひらふるさと再発見」に選定された建物を使用しています。