キラリと光る技術やサービスを持っていてもなかなか光が当たらない中小零細企業に自慢の製品をPRしてもらおうと、札幌商工会議所が30日にこうした企業の合同記者発表会を催した。札商会員企業を対象にした初の試みで参加したのは11社。1社の持ち時間5分をオーバーする発表者も多く、メディアに取り上げられることの少ない自社製品やサービスのプレゼンテーションに熱がこもっていた。(写真は、合同記者発表会でのプレゼンテーション)
合同記者発表会を企画した札商会員サービス課の高橋亨課長は、「良い製品や良いサービスを持っていても予算や様々な制約からPRできない企業も多い。こうした会員企業にもマスコミ向けの発表機会を設けて少しでも地域の活性化に役立てれば」と狙いを語る。
中小企業診断士による技術やサービスなど製品の事前審査とプレゼンテーション研修を経て11社に絞り込まれた。
発表に臨んだのは、以下の企業と製品。
・エジソンハードウェア
「災害現場用多言語拡声装置MLIタッチメガホン」(簡単操作で日本語、英語、中国語、韓国語の4ヵ国語の案内を繰り返し放送し災害時や混雑時の誘導にひと役)
・えぞキッチン
「S4 CioudCam」
(情報漏洩リスクを回避。撮影データを安全・安心にクラウドサーバに転送するアプリケーション)
・Qm
「リストランテ純一」(民放・CSテレビ番組とWebを連動したクロスメディアで北海道食材を中心に全国各地の旬なグルメ商品や食材を選定してシェフがオリジナル料理にアレンジしてPR)
・サトウトルマリン
「水素の泉」(簡単手軽に水道水をフレッシュな水素水に変える6つの薬石パック)
・しえん計画
「いすたんか」(介護、看護の現場で座ったままの姿勢で安全・迅速に搬送できる屋内・階段用担架)
・セテック
「太陽光発電用架台とプレハブ基礎の組み合わせ製品」
(太陽光発電の合理的設計を徹底でき、太陽光発電モジュール用架台の点検保守性の向上とローコスト化を図る)
・第一法規北海道支社
「こんなときどうするネット会社の法律Q&A」(法務・人事・労務・経理の疑問に応えるWEBデータベース)
・月の兎
「Jimdo Cafe札幌」(無料オンラインHP作成サービス『Jimdo』を通して情報交換するコミュニティサロン)
・ネクステック
「電源自給型可搬無線データ通信装置」(電源のないところにネットワークを構築できる装置。太陽光発電パネルと蓄電池を装備、日照がなくても5日間の連続稼働が可能)
・北海道磁気印刷
「キララ折り」(特殊抜き加工した印刷用紙で、折り方は自由。重ねても厚くならない印刷用紙)
・北海道中華食品研究所(雪の花餃子館)
「雪の花ジャガイモぎょうざ」(皮は羊蹄山麓で獲れるジャガイモでん粉を50%使用、小麦粉餡は羊蹄山麓のジャガイモでん粉70%で作られた豪雪うどん、岩見沢の玉ねぎ、豚肉、挽肉を使用。道産素材と規格外野菜の積極活用)
しえん計画は、家族の介護から考えついたオリジナルな椅子担架で、個人事業として起業。北海道磁気印刷はテレホンカードを手掛けていたが市場の急減でオンリーワン商品に特化。これまでにCDが50枚入る蛇腹折りの紙ボックスや団扇の代用となるハリセンスなどがヒットした。
北海道中華食品研究所は、趙宇社長が2012年6月に江別市内に「雪の花餃子館」を開業し、8月に法人化。餃子に絞って道産食材の活用と応用を進めていくのが目的。「雪の花餃子館」は現在1店舗だが、近いうちに各振興局管内に店舗を設けて20店舗を展開する計画。
11社は発表後に専用ブースで簡易商談会も開催した。