10月に入って2020年も残すところ3ヵ月を切った。コロナで始まった1年がコロナで終わりそうな様相だ。流通業界は、巣ごもり需要と呼ばれる影響で比較的堅調に推移、各社とも3密(密閉、密集、密着)対策しながら事業を継続しつつ、新規出店にも継続的に取り組んでいる。そこで、これからの3ヵ月弱の間にオープンする流通店舗をピックアップした。今回は「ホームセンター」と「家具インテリア量販」を取り上げる。(ニトリの店舗が中標津にも誕生する=写真は「ニトリ美園店」の店舗と看板)
ホームセンター業界では、島忠(本社・さいたま市中央区)のTOB(株式公開買い付け)で子会社化を進めているDCMホールディングス(HD、同・東京都品川区)の中核企業、DCMホーマック(同・札幌市厚別区)が、釧路市鳥取大通2丁目に「DCMホーマック鳥取大通店」を11月下旬にオープンさせる。
アークス(同・同市中央区)グループの福原(同・帯広市)の旧「ビッグハウス鳥取大通店」が昨年4月27日、隣接地に「スーパーアークス鳥取大通店」を移転新築したことに伴い、解体された旧ビッグハウス店舗跡地などを利用して店舗を建設中。平屋建て、店舗面積は約1760坪(約5800㎡)。
釧路市は、DCMホーマックの前身、石黒金物店が誕生した創業の地。今回出店する場所は、元々は十條サービスセンターがあったところで、同じ敷地にあったハウジング館に石黒金物店は家庭金物コーナーを出店していた経緯がある。流通企業にとって、創業の地に店舗を構えることには特別の意味がある。持ち株会社DCMHDは、島忠TOBを11月16日に終える予定で、「DCMホーマック鳥取大通店」はその後にオープンする。
家具・インテリア量販最大手のニトリ(札幌本社・札幌市北区、東京本社・東京都北区)は12月中旬、標津郡中標津町桜ヶ丘3丁目27ほかに「ニトリ中標津店」をオープンさせる。ニトリにとっては、日本最東端店舗になる。中標津町は、根室管内(根室市、中標津町、標津町、別海町、羅臼町)の中核的な自治体で中標津空港もあり、人口は2020年9月末で2万3216人。同年8月末の根室市の人口は2万4699人と肉薄している。
ニトリは、北海道では市に出店するのが大半だったが、町への出店は釧路市とほぼ一体となっている釧路町の「釧路店」に次いで2例目。店舗面積は、ニトリの標準店舗の半分ほどの約769坪(2538㎡)になっている。ニトリが北海道で出店するのは、18年12月14日の「ニトリ千歳店」以来となり、道内24店舗となる。