札幌・平岸アパマンガス爆発現場の向かいで「やなづめメディカルビル」建設始まる

経済総合

 福島県郡山市の飲食店ガス爆発は、2018年12月に札幌・平岸で起きたアパマンガス爆発事故を思い起こさせたが、そんなアパマン爆発現場の向かい側にあった更地で仮称「やなづめメディカルビル」の新築工事が始まった。(写真は、仮称「やなづめメディカルビル」の新築工事。手前が工事現場で、向かい側が事故のあった旧酒井ビル跡に建てられた「ファミリーマート」の入っている建物)

 大量の除菌消臭スプレーのガス抜きが原因で起きたアパマンガス爆発。事故現場となった、札幌市豊平区平岸3条8丁目の木造2階建て雑居ビル「酒井ビル」の無残な姿を覚えている読者も多いことだろう。44人が重軽傷を負ったが奇跡的に死者はいなかった。事件後にビルの残骸は片づけられて更地になっていたが、事件から1年後の19年12月、新しい建物の建設工事が始まり、今年4月に3階建てテナントビルが竣工。1階には「ファミリーマート札幌平岸3条8丁目店」入り、事件の現場は様変わりした。

 そして今回、事件現場の平岸通を挟んだ向かい側の更地(平岸2条8丁目)で仮称「やなづめメディカルビル」の建設が始まった。建物の規模は不詳だが、工事は7月中旬から始まっている。建物の建築主はMBH(札幌市豊平区)、設計、監理は画(かく)工房(札幌市中央区)、施工は田中組(同)。工期は2021年5月末までとなっている。

 建設現場の仲通り側には「やなづめ内科・循環器クリニック」がある。ガス爆発が起きた時は、同クリニックも爆風を直接受け窓ガラスが割れるなど大きな被害を受けた。それから1年7ヵ月、建設が始まった仮称「やなづめメディカルビル」の竣工後には同クリニックが移転するもようだ。また同クリニックの近隣にあるビルには、「やなづめ小児科・アレルギー科クリニック」があるため、こちらも統合される可能性が高い。

 ガス爆発を引き起こしたアパマンの元店長は重過失致傷などで起訴され、8月18日に判決が言い渡される。また、近隣住民30人はアパマンに対して損害賠償請求訴訟を提起、今年2月に初弁論があった。刑事・民事の裁判が続く中、爆発現場の風景は大きく変わり始めている。

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