御前水ゴルフ倶楽部を運営する美々リゾート開発の再建で「御前水ゴルフ倶楽部の権利を守る会」の有志らが会社更生法の申し立てをしていたが、札幌地裁はこの申し立てを20日棄却した。棄却決定は、更正法でも同ゴルフ場の再生は見込めないと同地裁が判断したためで、当面は民事再生の再生計画案が否決された状態に戻る。(写真は、債権者である会員に送付された文書)
会社更生法は、美々リゾートの民事再生計画案が3月12日に否決されたことを受けて「守る会」有志らが申し立てていた。
「守る会」有志らは、美々リゾートの経営者である蔦森清克氏が引き続き経営に当たることに猛反発。民事再生計画案が債権者集会で否決されるという異例の展開になった。
会社更生法の申し立ては、有志らが蔦森氏の放逐を目指し、新たなスポンサーのもとで会員主導による再建を進めようとしたもの。
しかし、民事再生時の監督委員で更正法の申し立て以降は保全管理人となった中嶋恭介弁護士が、富樫正浩公認会計士に財務状況や今後の経営状況を調査させたところ、採算ベースにはならないとの具申を受け、中嶋弁護士は同地裁に『今後の事業継続に必要な資金繰りが確保できていない状況と言わざるを得ない。事業の継続を内容とする更正計画案の作成の見込みがないことがあきらか』との報告書を提出していた。
これを受けて、同地裁は20日付けで会社更生手続きを開始しない判断をし、申し立てを棄却する決定をした。
この棄却決定で、美々リゾートは会社更生法申し立て前の民事再生手続きに戻るが、3月12日に再生計画案が否決されているため破産手続きに移行する可能性が高くなった。
ただ、会社更生法申し立ての棄却決定に対して、守る会有志らは即時抗告を予定しており、今後新たなスポンサーが付いて採算性が確保できる見通しが立てば更正手続きが開始され事業再開の可能性も残されている。
しかし、即時抗告をすると札幌高裁の判断がでるまでに1ヵ月程度を要することから、開始決定が出た場合でも、再び棄却判断が出た場合でも今年度の営業は微妙だ。