作業服・用品の専門店チェーン『プロノ』を展開するハミューレ(武居秀幸社長)が東証マザーズへの上場準備を加速

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 作業服・作業用品の専門店「プロノ」をチェーン展開しているハミューレ(本社・札幌市東区、資本金4000万円、武居秀幸社長)が、東証マザーズへの上場準備を加速している。2011年8月期は売上高33億3500万円、経常利益1億円だったが、今8月期にはそれぞれ40億円、3億円を見込む。来春までには仙台に1号店を出店し、東北へ本格展開も進める。道内企業のIPO(新規株式公開)はここ数年途絶えており、ハミューレの上場が実現すればIPOを目指す道内企業が増えてきそうだ。(写真は、武居秀幸社長)
 
 ハミューレは1980年に靴の専門店としてスタート。94年に靴の扱いを辞め作業服や作業用品を扱うワークショツプに転換、チェーン展開を進めてきた。02年には中国で自社ブランド品の開発を始め、自社店舗での販売とホームセンターなどへの卸売りもスタートしている。また、07年からインターネットショッピングも取り入れた。
 
 現在は道内でプロノの直営店13、FC6の合計19店舗を展開。05年に社長に就任した二代目の武居氏は、「店舗販売の伸びとともにインターネット販売は2倍、卸売り部門も70%の伸びを確保している。経常利益を見ると今8月期は前期の2倍半、3年前と比べる100倍になりそうだ」と自信を見せる。
 
 作業服や作業用品は、公共事業の縮小で市場規模の広がりが期待できないが、同社はこれまで培ってきた商品開発力を生かして防寒靴下を最初に手がけるなど作業服の枠を超えた独自の商品展開でこれまでになかった市場を創出。
 
「農家の女性向け作業着やフィッシング向けのカッパなど独自商品の評価は高い。一般の人にも来てもらえるような店づくりで、これまでのイメージを変える取り組みも強化している」(武居社長)
 
 実際、昨年11月にオープンした北見店は作業服・用品の専門店とは思えない外観と店内レイアウトになっている。「何を売っている店なのかが分からないようにして一般の買い物客を呼び込みたい」と武居社長は語る。
 
 同社では、年末か来春までには仙台で直営の本州1号店を出店する計画。防寒や一次産業向けのニーズは高く市場が見込めるためで、東北全域でのチェーン展開を進めていく考えだ。出店は単独かドラッグストア、食品スーパーなどとの近隣型ショッピングセンター(NSC)への出店も検討する。
 
 東証マザーズへの上場準備をスピードアップして進めており、武居社長は「3年後には売上高110億円、経常利益12億円を計画、長期目標として25年8月期には年商1000億円を目指したい」と言う。

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