道庁赤レンガ庁舎の正面から東に続く札幌市の北3条通の西4丁目部分が公園化されることに伴い、10日(金)から12日(日)まで交通を遮断して冬季の活用方法を探る実証実験が行われる。伝統的な雪の家を体験できるイグルーや雪遊び広場などを設置、約100mの区間を利用して賑わい創出のデモンストレーションをして公園化されて以降の活用方法の糸口を探るのが目的。(写真は、赤レンガ庁舎と銀杏並木、レンガ敷きの道路が開拓の風情を残す北3条通)
赤レンガ庁舎は、札幌観光の歴史的観光資源で、赤レンガを基点に日本生命札幌ビルと4月から着工される三井札幌ビルの間を通って東へ延びる銀杏並木に囲まれたレンガ畳みの北3条通は、歴史的息吹を感じさせる情趣のあるストリートとして人気がある。
北海道開拓の祖である米国農務長官のホーレス・ケプロンの進言によって開拓時代に多くのビール工場や醸造工場などが立ち並んだ時期があり、別名開拓使通とも呼ばれている。市民有志らが「ケプロン通」と名づけようと運動したこともある。上田文雄市長は、こうした歴史的なストリートである北3条通と札幌駅前通が交差するまでの約100mの区間を公園化して、赤レンガ庁舎を囲むゾーンを賑わいのエリアに位置づけることを決めている。
10日から12日まで3日間行われるのは、恒常的な公園化を控えて車道を遮断し冬期間の活用方法を検討する実証実験。
「ウインタースクエア」と名づけられたこの取り組みでは、伝統的な雪の家を体験できるイグルーの設置や雪遊び、雪かきを体験できる雪遊び広場、自分だけのオリジナルキャンドルを作るスノーキャンドルコーナーのほか、プレゼントが当たるスタンプラリーも実施される。
主催するのは、札幌駅前通まちづくり会社。同社は、昨年3月に開通した札幌駅前通地下歩行空間の管理運営を行っているが、地上の駅前通周辺の賑わいや文化を発信するイベントも行い、地域価値の向上に取り組むことも事業目的。
「ウインタースクエア」を通じて、赤レンガ庁舎など歴史的景観を生かした新たな札幌文化発信の拠点として早期整備が望まれる。