訪日外国人観光客(インバウンド)が北海道で最もお金を使っている市町村は「札幌市白石区」ーー。日経新聞の日曜1面恒例企画「チャートは語る」の8月4日付で掲載された「インバウンド」。その消費総額欄に登場したのが「札幌市白石区」で、北海道では「札幌市中央区」を抜いて堂々の全国9位。一体、何が「札幌市白石区」を押し上げているのか。(写真は、日経新聞8月4日付の「チャートは語る・インバウンド」の消費総額欄)
(写真は、JR白石駅)
日経新聞によると、消費総額はJCBブランドのクレジットカードを持つ中国人を中心とした延べ約370万人の2018年の消費総額を市区町村別に集計したもの。
それによると1位は東京都渋谷区で消費総額は63・5億円。東京都以外では大阪市中央区が34・1億円で4位となっており、上位8位までは東京都が7区、大阪市は1区で東京都が圧倒的に多い実態が明らかになっている。
そして9位になったのが「札幌市白石区」で消費総額は14・8億円。以降、10位東京都江東区14・1億円、11位東京都台東区13・8億円と続き、12位に「札幌市中央区」が13・2億円でランクインした。
道民には、この結果は意外だろう。ホテルが林立しドラッグストアやデパートも多い「中央区」が、なぜ大規模な商業施設やホテルもない「白石区」に及ばないのか。同じ日経紙面に掲載されたNTTドコモ子会社のデータ分析によると訪日客数は、「札幌市中央区」が311万人で全国17位、道内でトップ。「札幌市白石区」は訪日客数のベスト20にも入ってこない。
いよいよもって「?」が強まるのだが、「民泊施設が多いからでは」という声や「レンタカー利用者が高速道路の札幌ICを利用するからでは」、「市民が知らない穴場があるのでは」など様々な見方がある。しかし、どれも決め手になりそうにない。「札幌市白石区」を巡る「なぜ」の「なぞ」がいよいよもって深まっている。
ちなみに消費単価の道内トップは勇払郡占冠村3・7万円(全国3位)、2位は虻田郡倶知安町の2・8万円(同7位)でどちらもなるほどと思わせる根拠がある。なお、全国ベスト20位に「札幌市白石区」も「札幌市中央区」は入っていない。