プロ野球北海道日本ハムファイターズ(以下、日ハム)が、ボールパーク(BP)建設候補地を北広島市共栄の「きたひろしま総合運動公園」に決定してから1年3ヵ月。JR北海道が現北広島市駅のホーム延伸を決めるなど徐々にインフラの整備方針が決まり始めているが、BP建設に不可欠な土地の用途地域を変更する「北海道都市計画審議会」への諮問が大きなハードルとして立ちはだかっている。この難題をどう越えるのか。(写真は、北広島市共栄で建設が予定されている北海道ボールパーク=2018年11月5日、プロ野球日本ハムファイターズなど日ハムグループ3社のBP建設発表記者会見での画像)
BP建設予定地の「きたひろしま総合運動公園」(36・70ha)は現在、市街地調整区域で建築物の建設などができない。BPを建設するには、市街化区域への編入が必要。そのためには、北海道が「北海道都市計画審議会」に諮問して了承を得た後に都市計画決定を経なければならない。
同審議会は、学識経験者や市町村代表者、道議会議員代表者、市町村議会代表者など23人で構成され、年4回開催、様々な都市計画変更の諮問を受けて審議している。
市街化調整区域からに市街化区域への編入には人口増が予想されることや計画的な市街地整備が着実に行われることなど様々な要件をクリアしなければならず、BP予定地について同審議会がOKを出すには、現時点ではハードルが高いとされている。例外を認めれば今後、同様の案件が諮問された場合の前例となるため、厳格な対応をせざるを得ないからだ。
ただ、「きたひろしま総合運動公園」は、都市計画公園として都市計画決定されており、都市計画公園の定める範囲内で建築物の建設は可能。球場単体は建築可能とされているが、日ハムが構想している付帯施設の商業施設、レストラン、温浴施設などの建築はできず、ホテルに関してはぎりぎり建てられるかどうかのボーダーラインにあるという。
球場単体では日ハムが構想するBPとは程遠く、『世界がまだ見ぬBP』実現のためには用途地域の変更を同審議会が了承することが不可欠となる。23年3月開業に向けて20年5月には着工しなければならず、少なくとも今年度中に同審議会のOKがでなければ日程的に厳しくなる。「関係機関と協議を進めている段階」(北広島市役所)と言うが、現時点では同審議会がゴーサインを出すには高いハードルがありそう。後戻りできないBP計画の難所をどう乗り越えるか、関係者の知恵の絞りどころとなりそうだ。