三井住友海上火災保険(本店・東京都千代田区)は21日、セコマ(本社・札幌市中央区)グループと「災害時防災活動協力に関する協定」を締結、その一環として三井住友海上北海道本部や札幌支店が入る札幌MTビル(北3西2)に無人店舗を設置した。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。
(写真は、セコマが札幌MTビル1階に設置したキャッシュレス決済の無人店舗)
(写真は、三井住友海上とセコマの「災害時防災活動協力に関する協定」の調印式。左からセコマ・丸谷智保社長、三井住友海上・荻原直毅執行役員北海道本部長)
三井住友海上は、昨年の北海道胆振東部地震で約1万件、100億円の保険支払いを行ったが、損害査定などの要員が北海道だけでは足りず本州などから応援を受けるなどして対応した。その際、こうした要員向けの食料、物資の調達が難しかったため災害時でも安定的に食料等を調達するため、今回セコマグループと災害時の防災活動で協力する協定を締結した。
協定締結の具体策として札幌MTビル1階のオフィス内スペース約6・5坪(21・5㎡)に無人店舗を設置。カップ麺や弁当、総菜、飲料、菓子、日用品など約500品目を用意。災害時に備えるとともに通常は約300人いる従業員限定で利用できるようにした。現金を使用しないキャッシュレス決済で、POS情報に基づいて不足した商品を納入する。
三井住友海上が災害時の物資供給を含めた協定を締結するのは初めてで、オフィス内への無人店舗設置も初めて。セコマグループにとっても災害対応に備えた企業のオフィス内への無人店舗設置は初めて。
この日、行われた協定調印式で三井住友海上の荻原直毅執行役員北海道本部長は、「保険サービスを通してお客に安心と安全を提供するのが使命。今回の協定を通じて災害時に十分なサービスが提供できるように取り組んでいきたい」と話した。セコマの丸谷智保社長は、「平常時は完全無人の店舗として利用してもらい、災害時には職員に対する緊急の食料支援、物資を届ける仕事の一助として有効に活用してもらえればと思う」と述べた。
また、「災害時の物資供給に備えるためのオフィス内店舗の設置要望は、我々にはなかった新しい発想」と丸谷社長は話し、今後はメディアや省庁などの災害時にも活動しなければならない事業者向けに無人店舗の導入を働き掛けていく。