SATO社会保険労務士法人やSATO行政書士法人、キャリアバンクなどのSATOグループ(本部・札幌市東区)は、2月にアジア圏を中心に企業のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を展開するトライコー・グループ(本社・香港)と業務提携したことを記念して海外進出セミナーを23日に開催した。会場となった札幌市中央区のキャリアバンクセミナールームにはアジア進出を検討している中小企業や金融機関などから約100人が参加した。(写真は、SATOグループ代表佐藤良雄氏=左とトライコー・ジャパン代表取締役CEO佐藤スコット氏との対談)
最初に、トライコー・ジャパン(本社・東京都港区)アウトバウンド事業部の山内奨氏が『アジア展開における海外進出のいろは』をテーマに講演。トライコーは、2000年の米会計不正「エンロン事件」を機に世界4大会計事務所のうち3社がビジネスサポート部門を統合して誕生。コーポレートサービスである行政書士、社労士の仕事とビジネスサービスの税理士の仕事を一括してワンストップで行っていることを紹介し、「アジア圏を中心にしているが、マレーシアには9拠点、インドには6拠点というように地域を細分化したサービスを提供しており、現地でしか得られない情報をピンポイントで提供できるのが特徴」と強調した。
日本の中小企業の3割弱が新たに海外進出をしたいと答えているアンケートを元に、「中小企業が不安要素として挙げるのはコンプライアンスや行政手続きの煩雑さ、離職率が高くて優秀な人材を確保できないことなど。トライコー・グループはアジアに進出している日系企業1000社超にビジネスサポートを提供しており、こうした蓄積を生かして海外進出を支援している」と説明した。
続いて、トライコー・ジャパンの佐藤スコット代表取締役CEOと佐藤良雄SATOグループ代表が対談、『国内マーケットの縮小と海外進出展開の意義について』をテーマに意見交換をした。佐藤良雄氏は、「中国に拠点を設置したが現地で業務を拡大発展させていくには優秀な人材を切らさないことが大切。しかし、そうした人材の連鎖が難しい」と述べた。
佐藤スコット氏は、「欧米の大企業では現地のトップは営業や技術で経験を積んだ人材を充てるが、人事の権限は現地には任せないようなガバナンスを取っている。こうした体制も海外進出で成功するヒントになる」などと話した。
最後に、SATO社労士法人の平直人氏が『海外進出に使える助成金の紹介』として、厚生労働省が実施している語学力やコミュニケーション能力向上のための講座等の受講など、海外関連業務に従事する従業員に対して訓練を行った場合に受けられる人材開発支援助成金(特定訓練コース)の詳細を説明した。