道警元総務部長佐々木友善氏が道新記者を偽証罪で告発、札幌地検が受理

社会・文化

 道警元総務部長の佐々木友善氏が虚偽のことを書籍書かれて名誉が毀損されたとして道新記者や出版社などを訴えていた民事訴訟は最高裁の上告棄却で佐々木氏の実質勝訴が確定したが、訴訟の証人尋問で道新記者がウソの証言をしたとして佐々木氏が札幌地検に偽証罪で告発、地検が受理したことが分かった。
  
 佐々木氏が告発したのは5月23日。告発状によると、道新記者の中原洋之輔氏(現美幌支局長)は、佐々木氏が提訴した民事訴訟の口頭弁論(2008年7月14日開廷の第10回)で証人として出廷、虚偽の答弁をしたというもの。
 
 佐々木氏は3点を偽証だと告発。①〈―この答弁を聞いた瞬間、取材班の一人は、3ヶ月ほど前の疑惑発覚直後のことを思い出していた。そのとき、佐々木総 務部長は、記者を身内とでも思ったのか、こう語ったのである。『わかるでしょ。理解してよ』〉と書籍に書かれている部分について、中原氏は道警キャップ懇 親会で聞いたと証言したこと②当時の芦刈道警本部長が「僕ももう終わりかなと思った」と語ったということをキャップ懇親会で聞いたと証言したこと③〈その 後、4月中旬になって、佐々木氏は道警本部庁舎内で偶然出会った取材班の記者に、こんな言葉をかけてきた。『いやいやいや、いったい、どこまでやられるか と思ったよ』〉と書籍に書かれている部分について、トイレの中で佐々木氏から聞いたと証言したこと――の3点。
 
  民事訴訟の地裁、高裁判決では、書籍に記載された①の部分を名誉毀損に当たると認定。③については名誉毀損とは認定されなかったが原告、被告の双方が上告、最高裁は6月16日で棄却判断を示し、佐々木は実質勝訴している。
 
 佐々木氏は「被告の主張を裏付ける偽証で敗訴の危機感を持った。偽証は許せないこと。徹底した捜査で偽装の実態を解明して欲しい」と語っている。
 
 札幌地検は、受理までにおよそ半年間をかけたが、司法関係者によると、「地検が受理したということは犯罪があると思料した結果。受理した告発は起訴、起訴猶予、不起訴の3つに判断されるが受理した以上は不起訴にはなる可能性は低いのではないか」としている。

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