セイコーマートが道立畜産試験場跡地でキャベツ生産へ、2012年には道内外で農地100haに拡大して野菜生産強化

流通

 セイコーマートグループの農業生産法人「滝川アグリ」は、滝川市東滝川の道立畜産試験場跡地を道から借りて野菜生産を始める。セイコーマートは自社店舗で使う野菜類の自社生産を拡大しており、2012年度には道内外で現在の3倍強に当たる100haの農地を確保して野菜生産を強化する考え。(写真=セイコーマートは農業生産法人での農作物生産を拡大している)
 
 滝川アグリは、滝川市内2ヵ所の野菜生産拠点と2ヵ所の加工場を運営している。生産拠点の滝川グリーンハウスでは農地0・2町歩の中に8連棟のハウスを建てミニトマトを生産、江部乙ハウスは農地0・4町歩にハウス4棟(約1200坪)を持ち、トマト、ピーマン、ミニトマトを生産している。
 
 今回、道が畜産試験場跡地の借受希望者を公募、滝川アグリが応募して借受者に選定された。
 
 滝川アグリが借りる農地は約5万㎡。賃料や賃借期間は今後詰めることにしている。
 ただ、この土地は土壌が酸性のため作物が育ちにくいとされる。このため、滝川アグリでは来年春以降に試験的にキャベツ生産を始め、状況見ながら土壌改良などを実施していく。当面は露地栽培で対応する。
 
 畜産試験場は09年度で閉鎖され、道が有効活用を模索、一時は滝川市とともにソフトバンクが進める太陽光発電施設の誘致に動いたこともあったが空振りに終わった。
 
 セイコーマートは、06年から農業への取り組みを始め、現在は道内に「滝川アグリ」、「上常呂ファーム」(北見市)、「長沼アグリ」(長沼町)、茨城県に「桜川アグリ」(桜川市)の4農業生産法人を有し、合計25・4町歩の農地にハウス172棟を建てて農作物を生産している。10年の売り上げ実績は1億2700万円。
 
 セイコーマートでは、12年中に農地を100町歩(約100ha)に拡大して野菜生産を強化、年間売上高5億円を目指している。
 
 現在はセイコーマートで使う野菜類の約1割程度をこうした農業生産法人の生産で賄っているが、近いうちに3割程度まで内製化したい考え。農業を通じて農業技術者を養成、店舗指導を行うスーパーバイザーのように各農地を回って生産指導する農業分野でのスーパーバイザーを導入することを計画している。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER