コープさっぽろの大見英明理事長は、2013年に日本で最初の二酸化炭素排出量ゼロの食品スーパーを作る考えを明らかにした。コープさっぽろがこうしたエコ店舗の目標にしているのは英国の食品スーパー、テスコ。テスコは既に二酸化炭素排出量ゼロのエコ店舗を4店舗英国内外で設置しており、コープさっぽろは3年遅れでテスコに追い付きたい考え。(写真は、二酸化炭素排出量ゼロのエコ店舗づくりを明らかにした大見英明理事長とエコ店舗の1号店西宮の沢店)
コープさっぽろは、昨年10月1日に従来の食品スーパーよりも二酸化炭素の排出量を50%抑えることを目標に西宮の沢店(札幌市西区)をオープンしている。
西宮の沢店の建設を機会にコープさっぽろは、冷蔵・冷凍機器会社や建設会社、設計設備会社など26社とエコ店舗研究会を設置、環境に優しい店舗づくりを進める体制を整備した。
西宮の沢店には、太陽光発電設備や冷媒に二酸化炭素を使った冷凍機を導入、照明にも工夫を加えるなどして、「二酸化炭素排出量は目標の50%削減にあと一息の40%まできた。10%の未達分を早期に実現していきたい」(大見理事長)
西宮の沢店はエコ店舗として数々の表彰を受けたものの、利用者からの声は意外に厳しく①出入り口が1ヵ所しかなかったため8月にもう1ヵ所を設置②子育て広場のデザインを一部修正――しており、さらに「外装が木造でウッディな感覚に溢れ、床も陶板タイルを使ってデザイン性が高いため利用者にとっては敷居が高いようだ。センスが良すぎても小売業はダメなんだということが分かったため、800万円をかけて改善のトライアルをしている」(同)
また、標準的な売場面積600坪のエコ店舗を建設するには、通常の食品スーパーの場合に較べて2億円のコスト増になるため、この割高なコストをどう低減していくかも課題だという。
コープさっぽろが、二酸化炭素排出量を抑えたエコ店舗の目標にしたのは、英国テスコ。テスコは食品メーカーと組んで森林破壊の防止など商品を通じて環境に優しいアプローチをしており、こうした取り組みを『エコロジカル・インテリジェンス』と標榜している。
コープさっぽろは、スマートメーターの導入による省電力化やバイオマスエネルギーの利用も積極化しており、さらに商品づくりの段階から地球環境を考えていく、「インテリジェンスの高い組織に作るためにもう一歩踏み込んでいきたい」(同)
大見理事長は、こうした取り組みの成果として2013年に二酸化炭素排出量がゼロのエコ店舗を作ることを掲げた。「当組合がベンチマークしているテスコに3年遅れで追い付きたい。地球環境保護の取り組みでテスコには負けたくない」と強く訴えた。