札幌市が駅前通の景観重点区域を変更、ヨドバシカメラ取得の旧札幌西武跡など北5条通まで拡大

札幌市政

 札幌市は駅前通の景観保全を図るため、これまで北4条通までだった景観重点区域を駅前通の基点となる北5条通まで範囲を拡大する。JR札幌駅前から大通までの駅前通のストリート性を重視し、統一感のある街並みや歩いて楽しい賑わいを感じる街並みに相応しい建築物の建設を誘導する。景観審議会などを経て12月1日から施行する。(写真は、新たに『札幌駅前通北街区』として景観重点区域に組み入れられる北4条通から北5条通方向の駅前通)
 
 札幌市は、良好な景観形成を図るため中心部を「大通地区」、「札幌駅前通北街区地区」、「札幌駅南口地区」、「札幌駅北口地区」の4エリアに分けて景観重点区域に定めている。これらの4地区では、建築物の規模にかかわらず市への届出を義務づけて景観誘導を行っている。
 
 駅前通の北街区は、これまで大通と北4条通までのエリアだったが、JR札幌駅前から広がる駅前通の景観を統一的に誘導するためには、北5条通から駅前通をトータルに考えるべきという声が高まったため、「札幌駅前通北街区地区」の指定区域を延ばすことにした。
 
 駅前通の北4条から北5条までのエリアは、これまで「札幌駅南口地区」に入っていたため、駅前通というスリトート性よりも駅前の広場を意識した景観誘導の対象になっていた。
 
 今回、北4条通から北5条通まで駅前通の景観重点区域に変更されるため、駅前通に新たに建築物を建てる場合は、例えば①中高層部の壁面位置の連続性に配慮した意匠②角に位置する建築物は、隅切り部のオープンスペースの設置や両方の通りに向けた正面づくりなど、街角の印象を高めるように配慮された形態意匠③建築物は「札幌の景観色70色」とその近似色とし、周辺との調和に配慮した色彩とする。ただし、レンガや札幌軟石などの自然素材を調色せず使用する場合はこの限りではない④低層部は、連続した賑わいが感じられるように配慮する――など細かく具体例が示されている。
 
 札幌市では10月の景観審議会、11月の都市計画審議会に景観重点区域の変更を諮り、12月1日から施行する考え。
 
 景観重点区域に建築物を建てる場合には、要件を満たした建築物しか建てることができず、要件が満たされないまま届出が行われても受理せず、指導、勧告を行って誘導していく。
 
 駅前通の北4条から北5条の範囲には、現在取り壊しが進んでいる旧札幌西武の建物が含まれる。旧札幌西武の土地・建物を取得した家電量販店のヨドバシカメラは、当面更地にして駐車場として利用する方針だが、店舗ビルを新たに建設する場合は、「札幌駅前通北街区地区」の景観保全の要件を満たした建築物でなければ建てることができなくなる。

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