札幌市営地下鉄南北線の始発・終着駅である真駒内駅周辺の再整備計画が、2019年度に策定される。札幌市は、今年10月に有識者会議や地元町内会関係者による地域委員会を立ち上げ、30年開催を目指す冬季五輪・パラリンピックの選手村整備を含めて駅前地区再整備により南区全体の魅力向上を図っていく。(写真は、地下鉄真駒内駅)
市は13年5月に「真駒内駅前地区まちづくり指針」を策定している。真駒内地域は、1972年の札幌オリンピック主会場で戸建て・集合住宅、商業・利便施設が明確に区分され、道路・公園などが計画的に整備されたゆとりと落ち着きがある地域と定義づけている。また、駒岡清掃工場の廃熱を利用した地域熱供給が整備されている地域でもある。
課題は、市10区の中で最も少子高齢化が進行していることや南消防署の築54年を筆頭に、真駒内中学校(築51年)、南保健センター(築50年)、南区役所(築46年)など公共施設の老朽化が進んでいることなど。
将来的な取り組みの方向として指針が示しているのは、建て替えに伴って公共施設や商業施設をより地下鉄駅に近づけて利便性を高めるとともに、民間活力の導入可能性を検討すること。通過型から人が集まる滞留・交流型の駅前地区にして、駅前地区の活動と交流の広がりで南区全体の魅力向上につなげることとしている。
真駒内地域は、北海道日本ハムファイターズのドーム構想候補地になったが、ドーム構想は駅前再整備には直接関わりはなかった。真駒内地域にある屋外競技場前を走る五輪通の拡幅工事は、従来通り進める。
地下鉄の始発・終着駅である「麻生」、「新さっぽろ」、「宮の沢」、「福住」、「栄町」は、いずれも商業施設などターミナルになっているが、「真駒内駅」は“孤高の駅”然とした姿を保っている。駅前地区再整備計画では地下鉄駅の在り方も検討対象になりそうだ。