札幌市白石区菊水の住宅街の一角で、インバウンド(訪日外国人観光客)向けホテル建設を巡り企業側と地元住民の間に軋轢が生じている。建設場所は、札幌市白石区菊水1条1丁目2ー11で、小規模企業や薬局など12軒が入っている「ライザ21」の駐車場用地。地下鉄東西線菊水駅から徒歩5分と近く、マンションやアパート、民家が建ち並ぶ地域。建設予定の駐車場は、仲通りの住宅地に面しており、ホテルの立地環境として良好とは言えない。(写真は、土屋HDがインバウンド向けホテルを計画している敷地)
(写真は、建設反対を訴える立看板)
「(仮称)菊水ホテル」の事業主は、駐車場所有者の土屋ホールディングス(以下、土屋HD、本社・札幌市北区)で、施工は土屋ホーム(同・同)が行う予定。ホテル運営は、張相律氏が代表取締役を務めるアジアの富裕層向け旅行会社、プレミアム北海道(本社・札幌市中央区)。土屋HDと北海道プレミアムがホテル事業を手掛けるのは初めて。
7月現在の建築計画では、敷地面積119・59坪(395.39㎡)、建築面積70・92坪(234.46㎡)、鉄筋コンクリート造地上8階建て、高さは27・26m。今年10月初旬に工事に着手、来年6月下旬に完成予定となっている。
このホテル建設計画を地元住民が知ったのは、6月初旬。偶然に地元町内会長の佐藤義博氏が、「ライザ21」の駐車場に土屋HDがインバウンド向けホテルを計画していることを耳にして、同社に問い合わせしたことで明らかになった。
その後、施工予定者の土屋ホーム担当者と、菊水1条1丁目町内会や周辺町内会関係者を交えた説明が行われたものの詳細が開示されなかったため、町内会が住民説明会の開催を要求。結果、7月10日に土屋HDの大吉智浩副社長やプレミアム北海道の張社長らによる説明会が行われた。両氏はこれまでの自社の取り組みとホテルのコンセプトが「都会の中のスモールラグジュアリーコンドミニアムホテル(滞在型ホテル)」で、ダイニングとキッチンが付いた21部屋、全室スイートルーム(50㎡)であることを示した。