函館「棒二森屋」の閉店日決定、82年で消える老舗デパート

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 JR函館駅前にある老舗デパート、棒二森屋(若松町17ー12)の閉店日が2019年1月末に決まった。1937年に開店した地場デパートは82年で看板を下ろす。IMG_2133(写真は、2019年1月末に閉店する「棒二森屋」)

 棒二森屋は、1981年にダイエーと業務提携、ダイエー系列のデパートになった。そのころ、ダイエーの傘下に入っていた地元のスーパー、ホリタと棒二森屋系列でスーパー事業を行っていたボーニストアが合併して「北海道スーパーマーケットダイエー」を設立するなど、函館はダイエーの北海道戦略の拠点的な位置付けだった。

 棒二森屋はダイエーグループの中合(本社・福島市)が運営するデパートになっていたが、ダイエーはイオングループに入り、2015年にはイオンがダイエーを完全子会社化。イオン系列のデパートとして再出発していた。

 しかし、売り上げの減少や本館耐震補修工事に多額の資金が必要なため、昨年12月にはイオンの岡田元也社長が、函館市の工藤寿樹市長に店舗の建て替えについて言及していた。

 そんな中、中合の黒崎浩一社長は、29日に工藤市長や地元商店街関係者を訪ねて19年1月末の閉店と今後の方針を伝えた。イオンは、閉店後に建物を解体してホテルやマンション、スーパーが入る複合施設を建設する方針。ただ、地元商店街の間では再開発がホテル、マンションが中心になることに不安を抱いている。JR函館駅前に相応しい商業集積が期待できないためで、イオンの再開発案はスンナリ受け入れられそうにない。日本を代表する流通企業が、地域の賑わいをどう創出していくか試されることになりそうだ。

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