新規開店を祝うスタンドの花を持ち帰るのは、北海道ではごく普通の習慣。開店を祝う気持ちを共有しようという現れなのか、持ち帰る人を咎めることはしない。しかし、この1ヵ月の間に対照的な光景があった。
(写真上は、アリオのステーキ店開店を祝うスタンド花。写真下は、道の駅開業で花が持ち帰られたスタンド)
3月末に札幌市東区の商業施設アリオ内に新規出店したステーキ店。東京資本の人気店で一昨年末に札幌に出店、今度の店は3号店ということで取引先や関係先から開店を祝うたくさんのスタンド花が飾られた。
開店からしばらくしたら花がほぼなくなっているのが普通の光景なのに、ここでは写真のように開店から4時間ほど経っても花はまだいっぱい残っていた。
どうしたのか――通りがかった人に聞いてみたら、店の人が取らないようにと促していたそう。いくら持ち帰りの習慣があっても、そう言われたら抜き取ることには抵抗がある。
一方、4月末に開業した石狩市厚田の道の駅。初日は札幌方面から6000人以上が訪れた。ここにも開業を祝うたくさんのスタンド花が飾られた。花はどうなったかというと、写真のようにいつもの光景が広がっていた。見事に花はなくなっている。
開店祝いなどの花を持ち帰るのは、名古屋や関西の一部では習慣として根付いているそうだが、関東ではあまり一般的ではないそうだ。アリオに出店した店は関東資本、花が残っていたのも当然かもしれない。
その店の人が驚いたかどうかは分からないが、実際に住んでみないとわからない習慣は意外に多いもの。道産子はやはりスタンドの花がなくなっている光景に共感を抱くようだ。