北海道経営未来塾で北洋銀石井頭取、WakkaJapan出口代表取締役が講話

経済総合

 北海道から第2のニトリやアインファーマシーズのような成長企業を育てるための「北海道経営未来塾」第2期の最終講座となる経営実務講座が2日、札幌市中央区の北洋大通センター4階のセミナーホールで開かれた。塾生40人のほか塾の実行委員会から北海道商工会議所連合会、札幌商工会議所、札幌市など約20人も参加した。IMG_1513(写真は、塾生に講話する北洋銀行の石井純二頭取)

 長内順一塾長(未来経営研究所社長)の講話の後、北洋銀行の(本店・札幌市中央区)の石井純二頭取が『北海道の現状と企業の持続的成長のために』をテーマに約1時間講話。足下の経済動向や北海道経済の直面する課題と北洋銀の取り組み事例、成長への変革に取り組む視点について話した。

 石井頭取は、コンサルタント会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の『成長への企業変革』から、企業の成長について「自社を差別化する組織能力とコスト構造、成長のための組織再編が必要だ」と語り、北洋銀が2年前に実施した本支店窓口業務の大改造を紹介、「それによって4000人いた行員を400人減らした。400人の内300人は退職者の補充を減らすなどして自然減、残り100人は他の成長部門に振り向けた」と話した。
 
 また、伊那食品工業(本社・長野県伊那市)の事例を紹介。同社の塚越寛会長の経営哲学である「清掃と無駄を軽視すればすべてを失う」「工場を潜水艦にしてはならない」「社是は会社が立ち返る原点」など16のポイントを紹介した。

IMG_1521(写真は、日本産米輸出について講話するWakkaJapanの出口友洋代表取締役)

 続いて、日本産米を香港、シンガポール、台湾などに輸出しているWakkaJapanの出口友洋代表取締役が『日本産米輸出の取り組み~プロダクトアウトからマーケットインへの転換』をテーマに45分間講話。出口氏は、2009年からアジア向けに日本産米を現地の日本料理店や個人向けに輸出販売していく過程で、海外の人たちが求める自然栽培の無農薬米を自ら作ることを決意。長野県伊那市長谷地区の中山間地に水田を確保して、ハワイ市場向けに希少米『カミアカリ』を栽培、昨年11月にハワイの自社路面店で販売したことを紹介した。出口氏は、「北海道でも輸出に特化した新しい米づくりにチャレンジしたい」と語った。
 
 各講話の後には質疑応答の時間が取られ、塾生から北洋銀のシルバービジネスへの取り組みについての質問やWakkaJapanの海外展開での苦労話などについて問う質問が相次いだ。

 経営実務講座は2月6日にも北海道銀行本店ビルでも開催されており、同行の笹原晶博頭取が北海道における金融の歴史や北海道拓殖銀行の破綻に対する道銀の対応策などについて、また、小寺・松田法律事務所の小寺正史弁護士が企業経営におけるコンプライアンスとリスク管理についてそれぞれ講話した。
 北海道経営未来塾第2期は、これですべてのカリキュラムが終了、3月27日に修了式を行うことになっている。

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