一昨年夏、コンビニエンスストア「スパー」から「ハマナスクラブ」に転換していた「菊水5条店」(札幌市白石区)が2017年12月下旬に閉店した。コンビニエンスストアは、全国系と地場のセイコーマートが競り合っており、その狭間で地域特化したボランタリーチェーン(VC)のコンビニは厳しい状況に置かれているようだ。(写真は、閉店したハマナスクラブ菊水5条店)
12月31日に閉店したのは、札幌市白石区菊水5条1丁目の松本ビル1階で営業していた「ハマナスクラブ菊水5条店」。元は「スパー」の店舗名だったが、オランダのインタースパーからライセンス供与を受けて北海道内で「スパー」を展開していたセコマ系のVC本部が、一昨年夏にインタースパーとの契約を終了。このため道内に50数店舗あった「スパー」加盟店は、セコマ系のセイコーフレッシュフーズ(札幌市白石区)と共にVC本部を結成、店舗名を「ハマナスクラブ」に転換した。同店も「ハマナスクラブ」に切り替えて営業を続行していた。
コンビニの経営形態には、本部の経営指導や商品供給を受けロイヤルティー(加盟料)を払うフランチャイズチェーン(FC)が一般的。VCチェーンは、加盟店と卸が組織を結成、卸から商品供給を受けるもののロイヤルティーは低く、オーナーには経営の自主権があり、加盟店同士の横の繋がりもあるのが特徴。「セブン―イレブン」、「ファミリーマート」、「ローソン」はいずれもFC形態で「セイコーマート」はFCと直営の2形態で運営している。
VC形態の道内コンビニとして、「ハマナスクラブ」と北海道酒類販売(札幌市北区)系の「セラーズ」が知られている。VCは1店舗1オーナーのケースが多く、多店舗化が難しいうえオーナーの高齢化による事業承継はFCや直営より困難を伴う。
「ハマナスクラブ」に転換したコンビニは閉店が続いており、地域に密着したVCコンビニは転機に立たされていると言えそうだ。