札幌市内のインキュベーション施設に入居する起業家たちの事業発表会が13日、札幌市中央区の北海道経済センタービルで開催された。一般財団法人さっぽろ産業振興財団と札幌商工会議所の主催で毎年開催しているもので、6人の起業家が事業展望について発表、金融機関や支援機関などから約60人が参加した。(写真は、事業発表するダブルエムエンタテインメントの三田健太代表取締役)
発表したのは、札幌市白石区にある札幌産業振興センター内の「スタートアップ・プロジェクトルーム(SPR)」、中央区の札幌商工会議所内にある「創業ビレッジ」、北海道ビジネスサポートセンター内の「クロッカス」、コワーキングスペース内の「ものづくりオフィスSHARE」に入居している起業家たち。
日本産コメ専門店の海外展開をしている「Wakka Japan」の出口友洋代表取締役は「海外に拠点を置いていたため様々な輸出課題が解決できた。今後も北海道米を海外に広げていきたい」と話し、北大発ベンチャー、ミルウスの南重信社長は、東芝と協力してIoTデータの安全性を確保できるSDカード『ミパル』を来春から製品化、「個人の健康情報ツールとして医療分野でのサービス展開を予定している」と紹介した。
クリエイティブネクストデザインの進藤大輔代表取締役は、身の回りの光や振動、熱、風などわずかなエネルギーを電力にする環境発電に取り組むことを紹介、「センサーと無線技術を組み合わせて製品化したい」と構想を語った。
行政書士蛯原友浩法律事務所の蛯原友浩氏は、2017年8月から札商・創業ビレッジに入居、北海道に住みたい外国人や外国人を雇用したい企業のビザ取得コンサルティング、サポートを行っている事業を紹介、「外国人との縁をベースにして世界各国と結び付き、札幌、北海道の地域に貢献したい」と話した。
ダブルエムエンタテインメントの三田健太代表取締役はVR(バーチャルリアリティ=仮想現実)コンテンツを利用した自治体向け観光情報などを手掛けており、11月に千葉・幕張メッセで行われた観光イベントで北広島市のサイクルツーリズムをVRでプロモーションしたことを報告。「VRを使えば、知名度の低さなどをひっくり返すことができる。今後、VRによる観光プロモーションがメジャーになってくる」と強調した。
最後に、札幌市立大学の大学院生安田創氏が、個人のプロジェクト「norico project」で取り組んでいる雪道での移動に特化した車椅子について紹介、「前輪には雪道でも確実に動くキャタピラーを利用、マチに似合うデザインにして観光客や高齢者、足の不自由な人に使って貰いたい」とアピールした。