政務調査費の減額や公費による海外視察の人数制限など道議会改革が叫ばれた中での道議会議員選挙。総じて言えば、民主の退潮が目立ったほかベテラン道議の落選など有権者の足元の判断は、道議会に改革を迫る結果をもたらしたのかどうか。そんな中で、正副議長の人選が行われる。4年間を前期と後期に分けてそれぞれ議長、副議長が選ばれるが今回は前期2年の道議会の舵取り役が選出される。議長選びの動きを探ってみる。(写真は歴代議長の肖像画)
道議会の正副議長は、臨時道議会が開催される5月13日以降に行われる。16~17日は道議会が延会となり水面下で正副議長選びの駆け引きが繰り広げられる。そして18日に正副議長選挙によって正式に決定される。
定数104の道議会で、51人と最大会派の自民党道民会議から議長が選出されるが、期別役職がこと細かく定められている。5期以上は議長ポストしか役職がなく議長に選ばれなければ長老としてご意見番に徹するしかない。
自民党道民会議の5期以上の議員は13人いるが、そのうち6期以上で議長経験がないのは、和田敬友(札幌市西区、60)、川尻秀之(函館市、65)伊藤条一(札幌市白石区、55)の3人。しかし、この3人が議長に就く可能性は低い。某自民党道議は、「伊藤さんはかつての岩本グループから前回の議長選に出たが、4年間で道議会で一度も質問したことがないような人。私はもうひとりの石井孝一さんに迷わず入れたよ」というように、伊藤氏を議長に推す動きは今回はなさそう。和田氏と川尻氏についても議長に担ごうとする勢力は道議会には少ないようだ。
となると、5期の7人から選ばれることになるが、大方の見方は丸岩公充(札幌市南区、69)、本間勲(上川管内、66)、竹内英順(上川管内、51)、船橋利実(北見市、50)の4人のうちの誰か。
しかし、某道議が「今回ほど誰がなっても構わないような議長人事は初めて。誰かを推そうという気持ちには全くならない」と語るように、選ぶ側の議員たちでさえ通過儀礼のようなスタンスを隠さない。
かつて議長選びで欠かせなかった派閥は事実上機能していない。「3~4期の道議はいろんな勉強会に顔を出しているしその勉強会にも威光はない。昔の流れで繋がっているものの、以前のようにごりごり押してくる雰囲気はない」(某道議)
議長を経験した釣部勲(空知管内6期、65)と船橋道議の『釣船会』、竹内道議の『新桜会』、そのほかにも『未来塾』などの勉強会があるものの、それぞれの会を挙げて特定人物を応援するという雰囲気はない。
某道議の見解。「議長には船橋氏が積極的で全部の自民党道議に挨拶周りしたようだ。今回は前期と後期でどの組み合わせでタッグを組むかが注目される。本間―竹内、船橋―丸岩、竹内―船橋など組み合わせの面白さはあるかも知れない」