コープさっぽろが継承した旭友ストアー8店舗が計画比30%減で苦戦、前期決算は増収減益

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 コープさっぽろの2011年3月期決算は、店舗数が12増えたことによって売上高に当たる総事業高は前期より4%増加し2477億5700万円になったが、旧旭友ストアーから引き継いだ8店舗が苦戦し経常利益に当たる経常剰余は54・6%減の10億5500万円と増収減益になった。純利益に当たる当期剰余金は12億円の赤字。(写真はコープさっぽろ本部)

 

 前期の新店は恵庭、岩見沢東、札幌西宮の沢、幕別札内の4店舗と旧旭友ストアーから引き継いだ8店舗の合計12店舗。

 

 旭友から引き継いだ店舗は改装を進めて4~7月に順次開店。計画では旧旭友時代の1・6倍を売り上げることになっていたが、計画比で7割にとどまり、旧旭友時代に比べて10%程度の伸びしか確保できなかった。

 

 これまでコープフーズという別会社で生産していた石狩食品工場(従業員約800人)をコープさっぽろが吸収したことにより原価改善、粗利に当たる事業総剰余は前期より5・1%改善し567億2700万円になったが、旧旭友店舗従業員の引継ぎと石狩食品工場の内製化に伴う人件費アップ等が響いて経常減益になった。なお、既存店売上高は99・9%。

 

 売上高の内訳は、店舗部門が1771億5600万円(前期比4・4%増)、宅配部門が688億2400万円(同3・4%増)、共済部門が14億3500万円(同4・9%減)。

 

 組合員拠出金では、出資金が592億3600万円で前期に比べて47億3100万円増加、組合債残高も304億3800万円と同24億1100万円増えた。組合員拠出金合計は896億7400万円となり71億4200万円の増加になった。

 

 一方、銀行借入金は242億円でその前の期に比べて17億円のマイナス。金融機関借り入れから組合員拠出金へのシフトが進んでいる。

 

 2012年3月期の業績予想は、総事業高2626億円、経常剰余26億円で新規出店は6月のスクラップ&ビルドによる釧路新橋店のほか2店舗の計3店舗。いずれも二酸化炭素排出量を抑えたエコ店舗(ただし木造ではない)になる。

 

 また、5月には苫小牧に生鮮物流センターを稼動させ、苫小牧や室蘭地区での生鮮品供給体制を強化するとともに物流費の軽減を進めていく。

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