北洋銀行(本店・札幌市中央区)とほくほくフィナンシャルグループ(FG、同・富山市)は28日、それぞれ札幌市と富山市で株主総会を開催した。北洋銀の総会には455人の株主が出席、ほくほくFGの富山会場には247人、札幌中継会場には146人の株主が出席した。(写真は、北洋銀行株主総会で説明する石井純二頭取のモニター画面)
北洋銀の株主総会は、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで行われ、議長の石井純二頭取が冒頭、「当行は8月20日に創立100周年を迎える。100周年を通過点とせず新創業の志で企業価値向上に努める。2017年度の中間配当1株1円の記念配当としたい」と挨拶した。
第161期の事業報告がナレーション付きの映像を使って行われ、対処すべき課題については石井頭取が説明、「17年度を初年度とする新中期計画『共創』を策定、持続可能なビジネスモデルを構築しお客様第一主義を徹底する」と話した。
株主からの質問は個人向け営業施策についての1問のみ。石井頭取は⓵コンシューマーファイナンス(カードローン)は慎重に対処して進める②上光証券を完全子会社化する予定で非金利部門の預かり資産(投資信託、保険など)の営業を強化③クレジットカード部門の営業強化④相続絡みのコンサル強化――を示し、リテールの営業強化に経営の軸足を置くと答えた。
その後、剰余金配当を年間11円としそのうち1円を業績連動配当金とすること、取締役13人の選任、監査役2人の選任が審議され、いずれも拍手による賛成多数で承認された。所要時間は50分だった。
ほくほくFGの株主総会は、北陸銀行本店のある富山市と北海道銀行本店がある札幌市で毎年交互に開催しており、今年は北陸銀本店で開催。札幌では中央区のホテルニューオータニインで映像による中継が行われた。(写真は、ほくほくFG株主総会で説明する庵栄伸社長のモニター画面)
議長を務めた庵(いおり)栄伸(えいしん)社長(北陸銀行頭取)が第14期事業報告を行った。富山会場では3%配当の優先株について監査委員会の考えを問う質問があった。議長の庵社長は「自己資本比率は9・4%で金融業界では低い方。すぐにお返しできない訳ではないが、もう少し稼いで貯める時期と認識している」と説明。監査役は「自己資本比率を注視しなければならない。コスト面も考慮してしっかり課題に取り組む」と答えた。
その後、剰余金配当や定款一部変更、取締役7人の選任など7つの議案が審議され拍手で可決された。所要時間82分。
総会終了後に札幌中継会場の質問を受け付け、株主の1人が証券子会社の道内展開について質問。庵社長は、「ほくほくTT証券設立から5ヵ月で体制は整った。福井県や北海道の人口集積地などカバーできていないエリアをどうするか現在検討している」と支店設置に言及した。