北洋銀行(本店・札幌市中央区)は、グループを通じて11・43%を出資している地場証券の上光証券(同・同)を株式交換により2018年1月1日付で完全子会社化する。銀行と証券の連携により商品ラインナップの拡充や相談窓口のワンストップ化を進め、顧客の多様なニーズに対応した最適サービスを提供できるようにする。(写真は、北洋銀行本店が入る北洋大通センター)
上光証券は、1938年に小樽市で設立。当時は上光家のオーナー会社で現在も上光三郎氏が6・83%を保有しており単独では筆頭の株主。資本金5億円で従業員数は67人、道内に7事業所を展開している。
2017年3月期の見通しは、営業収益7億8500万円で7000万円の経常損失、8億6300万円の純損失。これは「レセプト債」を発行していたファンドの破綻により上光証券が約300人に販売したレセプト債の6割を損失補償金として支払ったことなどによるもので、次年度以降は2~4億円の純利益ベースに戻る。なお構成比は、株式が5割で債券・投資信託が2割強。
北洋銀は、同社に5%出資しているほかグループ会社のノースパシフィックが6・43%出資している。人的には、同社の松浦良一社長が北洋銀常務から転じており、他の3人の取締役も北洋銀出身で取締役6人中4人が同行出身者。また監査役3人中1人が同行出身。さらに4月1日付けで北洋銀取締役法人部長の伊藤博公氏が上光証券顧問に転じており、6月28日の上光証券株主総会で副社長に就任、来年6月末には社長に昇格する予定になっている。
両社の人的な結びつきは強かったが、これまでは業務面での連携はそれほどでもなかった。北洋銀は一定の距離を置いてきたが、日銀のマイナス金利が続く中で収益が伸び悩んでいることから、新たな収益源として着目、完全子会社にすることにした。