食品スーパー「フードD食彩館」などを苫小牧や札幌で13店舗展開する豊月(本部・苫小牧市)は、10月までに全店舗を価格訴求のディスカウント(DS)タイプに転換する。3日には札幌市清田区の「平岡食彩館」を「365(サンロクゴ)平岡店」に衣替した。今後は毎月1店舗のペースで転換していく。(写真は、食彩館のころのフードD平岡店)
豊月は、標準的な品揃えと値ごろ感のある価格を訴求する「フードD食彩館」と高質化志向の「LISTE店」(江別市)、「BOSCO店」(札幌市手稲区)などを展開してきた。ここ7年間は高質化志向を強めて惣菜など店内調理を強化、一定の支持層を得てきた。しかし、最近は賃金の伸び悩みや社会保障費の負担増などから消費者の買い物動向は二極化が鮮明になり、中間層を狙っていた「フードD食彩館」は競合店の影響も受けて頭打ちになっていた。
このため、DS志向の「365」に業態を転換し、格安価格で集客増を図ることにした。昨年10月に苫小牧市の「OASIS店」を皮切りに11月には札幌市清田区の「VAlue」を転換。年末商戦を挟んで2月3日に「フードD平岡食彩館」を「365平岡店」に転換した。
加工食品など3000品目以上を大幅に値下げ、販売量を増やすことで利益を確保していくのが基本戦略だが、店舗の状況を見ながら品揃えや陳列法を修正している。
今後は、高質店舗として定着している「LISTE店」、「BOSCO店」についても品質訴求と価格訴求のバランスを取った売場構成を作って「365」に転換していく。なお、同社の2017年1月期決算は、売上高160億円台を確保したようだ(16年1月期は169億1500万円)。