小泉政権下の規制改革のひとつであるタクシー参入自由化によって新規参入した札幌交通圏(札幌市、江別市、石狩市、北広島市)のタクシー会社、エース興業(本社・札幌市中央区)が三和交通や北星タクシーなどを傘下に持つSKホールディングス(通称・SKタクシー、同・同市北区)にこの秋、買収される。エース興業が保有する35台が譲渡・譲受される。(写真は、エース興業の本社)
エース興業は、道路標識、道路標示の日本マーキング(本社・札幌市手稲区)の関連会社として「エースタクシー」を運営。プリウスなどを使用した車両10台で2002年に新規参入した後、台数を35台まで増やした。
しかし、運転手不足もあって経営は好転せず、今年秋にも札幌交通圏の特定地域指定に伴う強制的な台数削減として各社が保有する車両の10%減車が本決まりになる。このためさらに採算が悪化すると判断してSKホールディングスへの譲渡を決めた。乗務員も合わせて移籍する。
SKホールディングスの山澤厳雄社長は、「エース興業を買収することは決まっているが、詳細はまだ話せる段階ではない」としている。同ホールディングスは傘下に三和交通、北星タクシー、さくら交通、北びしハイヤー、寿ハイヤーなどを擁し、車両台数は全体で700台を超える。
札幌交通圏で新規参入したタクシー会社は11社だが、現在までに6社が廃業や規制緩和以前から営業しているタクシー会社に身売りされている。