一般社団法人定山渓観光協会は31日、札幌市南区の定山渓ビューホテル本館1階のビューホールで「定山渓温泉開湯150周年記念祝賀会」を開催した。政財界関係者や地元関係者など約160人が出席、修行僧、美泉定山が開湯した定山渓温泉の節目の年を祝った。(写真は、挨拶する金川一男・定山渓観光協会会長)
(写真は、乾杯の音頭をとった有馬観光協会・當谷正幸名誉会長)
祝賀会では、冒頭に主催者として定山渓観光協会の金川一男会長(ホテル鹿の湯社長)が挨拶。「美泉定山という修行僧が62歳の時、アイヌの若者2人に案内されて朝里峠を越え豊平川上流の温泉場にたどり着き、源泉に出合った慶応2年が定山渓温泉の始まり。開湯150年の節目の年に、こんなに大勢の方に集まっていただき大祝賀会が行われるような温泉地になるとは定山も想像していなかっただろう」と話した。
続いて北海道経済部の木本晃・観光振興監が来賓の祝辞を述べた。木本氏は、「北海道新幹線が開業し北海道観光に絶好の機会が訪れている。道は、この好機を逃すことなく開業効果を全道に波及すべく国内外へのプロモーションを推進、各地域の様々な特性を活かした質の高い観光地づくりを進め国内外からより多くの観光客に来てもらうように取り組んでいく。定山渓温泉は、引き続き本道観光を牽引するリーダーとして発展することを期待したい」と挨拶した。
続いて札幌市の町田隆敏副市長が登壇。町田氏は、「市は定山渓とススキノを大きな観光資源と捉えている。昨年、市は定山渓観光魅力アップ構想を策定し、国道230号線沿いに新たな集客交流施設を作る構想や定山渓の景観をぬくもりのあるものに統一していくことなどを示した。開湯150周年を機に定山渓の観光振興に皆様方と力を結集して取り組んでいきたい」と話した。
祝杯の音頭をとったのは、一般社団法人有馬観光協会の當谷正幸・名誉会長(兆楽代表取締役)。神戸市北区の有馬温泉と定山渓温泉は1973年に姉妹温泉提携をしており43年間に亘って交流がある。當谷氏は「姉妹提携に至ったのは、当時の宮崎辰雄神戸市長が政令指定都市同士として神戸・有馬と札幌・定山渓が仲良くして将来の観光の良い手本になればということがきっかけだった。あのころの定山渓観光協会会長は、金川現会長のお父さんだったと記憶している」と語り、「これからもしっかりとスクラムを組んで経済的にも深いつながりを持ちたい。新しい温泉をテーマにアートや健康をともに発信していきたい」と述べて杯を上げた。
定山渓温泉には年間150万人以上の観光客が訪れており、6月1日からは開湯150周年を記念して二見公園から二見吊橋の遊歩道沿いがライトアップされる定山渓ネイチャールミナリエが10月31日まで行われる。