北海道知事選と札幌市長選がともに現職3選という結果になったが、知事選や市長選に挑んだ木村俊昭氏(50、民主・社民・国民新推薦)と本間奈々氏(41、自民推薦)の今後の身の振り方が関心を呼びはじめた。木村氏は農水省、本間氏は総務省を退職しての立候補だっただけに、民主党や自民党がどういう処遇をするかで今後の進路が決まる。(写真左から木村俊昭氏、本間奈々氏)
震災による自粛ムードが広がる中、新人2人にとっては厳しい戦いになった。
知事選では、高橋はるみ氏が184万票を超え、改めて人気の高さを実証。負け覚悟で挑んだ木村氏は54万票あまりで3倍以上開いた。
2007年の前回知事選で、高橋対抗馬として挑戦した荒井聡氏の得票数98万票と比べてもその差は約2倍。木村氏の負けは、民主党北海道と連合北海道の共闘体制が根底から崩れていたことを示している。
札幌市長選では、上田文雄氏の53万票に対して本間氏は36万票。自粛ムードがなければ、本間氏はさらに票を伸ばしていた可能性がある。
前回市長選で出馬した自民推薦の清治真人氏(元国交省技官)の得票数36万票とほぼ同数だったが、前回は経済界が清治氏を全面支援。今回は、経済界が上田氏と本間氏に分かれて支援したため、実質的には本間氏は清治氏を上回ったという見方もある。
敗れた新人2人は、中央官僚を退職して挑んだだけに、今後の身の振り方は党が鍵を握ることになりそう。
木村氏は、2年後に改選期を迎える参議選の北海道選挙区候補が想定される。現在の民主党参議は小川勝也氏(47)。95年に初当選し現在3期目。民主党では参議は3期という取り決めがあり、昨年の参議選で峰崎直樹氏が3期で後進に道を譲っている。小川氏も同様に退くものとみられ、木村氏が後継候補の一人として浮上してくる見込み。
本間氏は、退職金をほぼ全額今回の選挙資金に使ったと言われているが、本人も敗戦会見で「札幌に貢献したい」と語っており、自民党札幌支部連合会が本間氏の処遇を検討すると見られる。
選択肢のひとつが衆院選の3区候補。本間氏は、市長選の中で清田方面への地下鉄延伸を再三訴えるなど3区の選挙区に含まれる清田区民へのメッセージを含ませていた。2年前の衆院選で落選し引退した石崎岳氏の地盤を引き継ぐことも考えられる。そのほかにも、衆院比例候補という道もありそうだ。