札幌市長選で現職の上田文雄氏が3選を果たし、新人で自民党推薦の本間奈々氏が落選した。
本間氏の選対事務所では、選対本部長の町村信孝衆議をはじめ自民党長谷川岳参議や札幌支部連合会の三上洋右市議、女性支援者らが詰め掛けたが、午後8時5分には上田氏の当確がテレビで伝えられると事務所内には重苦しい空気が漂った。(写真は、敗因を語る本間奈々氏)
その後、10分足らずで本間氏が顔を見せたが、目は充血気味で選挙戦で見せた力強さは失われていた。
本間氏は、「選挙運動が自粛で限られたものになり政策の訴えが市民に届かなかった。仕方がない、力が及ばなかった。今後の進退については、家族や支援者の方と相談していろんなことを考えていきたい」と述べるのが精一杯。
町村氏も、「素晴らしい候補を当選させることができなかったは私の責任だ」と陳謝した。
テレビで高橋はるみ氏の知事3選当確が報じられ、万歳の代わりに『頑張ろう』とコブシを上げる姿が放映されているときには、既に本間氏は敗戦会見を終えて事務所を後にしていた。
自民党は、今回で市長選3連敗。前回の国交省技監・清治真人氏の落選に次いで総務省官僚だった本間氏の落選で党勢立て直しはさらに後退することになる。
本間氏は「札幌が大好きなことは変わらない。今後も札幌に貢献したい」と言うが、清治氏の処遇も結局用意できなかった自民党札連は本間氏を引き止めることができるのかが大きな課題になる。
東日本大震災による甚大な被害を目の当たりにし福島第一原発の収束が見えない中で行われた選挙は、新人候補には不利だったことは否めない。しかし、これもまた選挙である。会見を終えた本間氏は、徒労感と喪失感が入り乱れた表情を見せていた。