食品スーパー、フードDを展開する豊月は、札幌市清田区の「美しが丘食彩館」を全面的にリニューアルし、高質化店舗にする。4月から約1ヵ月間閉店して改装工事を行う。(写真はフードD美しが丘食彩館)
同社が進める高質化店舗は、これで3店目。今後、順次既存店舗の高質化を進めていく。
「美しが丘食彩館」は、豊月の札幌一号店。苫小牧を拠点に店舗展開していた同社は、10年ほど前に札幌市内に進出、当時はディスカウント業態で業績を伸ばした。
5年ほど前から、ディスカウント一辺倒の業態から生鮮品を中心にクォリティもアピール、「Q&D」(クォリティ&ディスカウント)路線を進め、店名もフードD美しが丘店に「食彩館」を付け加えた。
同社はこのQ&D路線をさらに強化する目的で「高質化店舗」を標榜し、商品、内装、従業員の応対など全ての面で高質化を目指す方針を決め、昨年9月にその一号店として江別市大麻に「LISTA店」をオープンさせた。
高質化店舗は、利益率の高い総菜類を強化してデパ地下の雰囲気を食品スーパーに導入、牛乳類の1日販売など新鮮さをアピールしたマーチャンダイジングを取り入れている。ただ、価格面では安さもアピール、「Q&D」路線を堅持しながらハード・ソフトの両面から高質化を目指すとしている。
2号店は、昨年11月に苫小牧市日新町の食品スーパー跡を全面改装して居抜き出店、「Vian」の名称で展開している。
さらに今年9月には、札幌市手稲区前田に高質化スーパーの新店をオープンさせる予定。
美しが丘店の高質化への転換は、既存店リニューアルだが、1ヵ月間の閉店期間中に全面改装しこれまでの店舗イメージを一新する考え。
同社の豊岡憲治社長は、「LISTA店も雪解けとともにようやくお客様に認知されてきた。高質化店舗は、これまでの食品スーパーとコンセプトが違うのでお客様が店舗に慣れるまでに時間がかかる。半年間でお客様も店舗の特徴や品質の良さ、価格の安さに気づかれている。差別化路線は間違っていない」と語る。
札幌市内初の高質化店舗は、周辺住民に受け入れられるかどうか注目される。