札幌証券取引所のアンビシャス市場に上場している地場広告代理店のインサイトは、インターネット通販事業を拡大するため、北の達人コーポレーションから事業の一部を譲り受けることで合意した。
インサイトは2年前から自社で「北海道産直便」というインターネット通販サイトを運用しているが、さらにこの分野を強化する目的で北の達人が運営するサイトを買収することにした。
北の達人のサイトは
『北海道・しーおー・じぇいびー』(http://www.hokkaidou.co.jp)、
『北海道わけあり市場』(http://www.wakeichi.com)、
『わけありグルメニュース』(http://www.gourmet-digest.com)の3サイト。
北の達人は、2002年に設立されたインターネット通販とインターネット広告を扱う会社で今年2月期決算では売上高6億8300万円。北の達人では、健康食品事業が伸びてきており、事業の選択と集中を実施、インターネット通販事業を売却することにした。
売却は入札で行われ10社が参加、インサイトが落札したもの。落札額は非公表。
北の達人はこれら3つのサイトを設立当初から運用しており年間売上高は1億8800万円。インサイトは人員は譲り受けず10年間で蓄積された顧客名簿やシステムを取り込む。顧客数は約10万人。インサイトでは、来年2月に正式にサイト運営をスタートさせる。
インサイトは地場中堅の広告代理店で08年2月に道内の広告代理店としては唯一株式公開をしている。広告業界はここ数年、新聞、テレビ、ラジオ、チラシなど主要媒体が不振で厳しい経営を強いられているが、同社の浅井一社長は、「広告業界は、変化の真っ只中にありここを乗り切らなければ生き残れないと判断している。当社は上場しており信用力が高いことから、新たな顧客へのプレゼンテーションに積極的に参加できる環境にある。我慢して嵐が過ぎ去る経営をしているだけでは次のステップが描けない」と述べており、不況下の積極経営を進めていく考えだ。