札幌商工会議所・さっぽろ成長戦略特別委員会(委員長・堰八義博北海道銀行会長)は9日、同委員会がまとめた『提言「さっぽろ成長戦略」~Sapporo引力~』を秋元克広札幌市長に手渡した。同委員会は札商第35期がスタートした2013年11月に設置され、これまで30回の議論を重ねてきた。民間の発想による札幌の成長・創生戦略が盛り込まれており官民連携による実行が求められる。(写真は、秋元市長=左に提言冊子を手渡す高向会頭=中央と堰八委員長=右端)
市長会議室で行われた手交式では高向巖札商会頭と堰八委員長が手を携えて提言書を秋元市長に手渡した。高向会頭は、「提言で終わってはいけないので官民連携で取り組んでいきたい」と述べ、堰八委員長は、「市と考える方向は一致しており今後テーマごとに引き続き摺り合せをしていきたい。提言をお渡しした今日がスタートで成長に導くことがゴール。一つひとつ取り組んでいきたい」と話した。
提言書を受け取った秋元市長は、「20年、30年先を見据えて市として基礎となることをやっていきたいが、提言の内容を最大限アクションプランに取り入れて具体的に進めていく。行政と経済界は車の両輪になって未来に繋げる投資を行いたい」と応えていた。手交式には成長戦略特別委員会の大谷喜一副委員長(アインホールディングス社長)らも出席した。
通称「堰八委員会」と呼ばれた同委員会では、「都市インフラ」「産業政策」「人づくり」「生活・文化」の4つの小委員会を設置してそれぞれの切り口から成長や地方創生に何ができるかを検討した。コンセプトになっているのは「Sapporo引力」。これは、札幌が北海道の中でリーダーシップを発揮して経済面や暮らしの面から札幌の魅力を高め、住んでいる人ばかりでなく国内外の人々、観光客、企業や投資を惹きつけていこうとするスローガン。札幌がエンジンになって北海道全体の活性化を目指していくことを示した。
提言書に貫かれているのは、「民間でできることは民間で取り組む」「官と民が連携して取り組む」という姿勢。
医療を切り口にした新たな産業集積「メディカル・クラスター・シティ・サッポロ」(メクス)プロジェクトや札幌市立大学に国際観光学部を設置、特色ある中高一貫校校の増設、技術・知識の伝承熟としてリタイア人材の誘致、若者を惹きつける中長期インターンシップ、スポーツの力の活用戦略、「フェスティバル・シティ」として1年中切れ目のないイベントの実施などがまとめられている。提言書は、資料編を含めてA4判52ページ。