海藻由来の虫歯・歯周病予防タブレット 食の科学舎が口内ケア商品

経済総合

 JSR連結子会社である医学生物学研究所(本社・名古屋市中区)のグループ会社、食の科学舎(同・札幌市中央区)は、海藻の「海松(ミル)」から抽出した成分である「ミルレクチン」を使った口内ケア商品の販売を始めた。虫歯や歯周病の原因になるバイオフィルムと呼ばれる物質の形成を抑制、虫歯や歯周病を防ぐことができる。特に妊婦は口の中で雑菌が繁殖しやすく胎児にも影響すると言われており、口内ケアは必須とされる。食の科学舎では、新発想の口内ケア商品として市場を開拓していく。IMG_9315(写真は、レクチノーラルの口内ケア商品を持つ食の科学舎の役員ら)

 日本人で虫歯になっている人の割合は85%を超え、歯周病も74%に達していると言われる。とりわけ妊婦では歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高め、生まれてくる子どもも虫歯菌が受け継がれてしまうという。
 虫歯や歯周病の原因は、唾液に含まれる糖たんぱく質の糖鎖に細菌が結合してできるバイオフィルムと呼ばれるもの。このバイオフィルムの形成を抑制すれば虫歯や歯周病を予防できる。
 
 医学生物学研究所のグループ会社であるグライエンス社(名古屋市千種区)は2010年に岡山大学と共同で海藻ミル由来の天然レクチンであるミルレクチンが虫歯菌に付着してバイオフィルム形成を阻害する機能があることを発見。
 今回、食の科学舎はこのミルレクチンを使って「レクチノーラル・タブレット」、「レクチノーラル・デンタルジェル」の2タイプを商品化した。「タブレット」は、寝る前の歯磨きの後に1回2粒を舐めて食べるもので、デンタルジェルは食後に綿棒で塗って使用する。就寝後にバイオフィルムが形成されにくくなるため虫歯や歯周病を予防できる。効果は約6時間持続する。
  
 口内ケアは、歯磨き粉をつけて歯ブラシで磨いたり口内洗浄液でうがいをするなど、できたバイオフィルムを取り除くものが主流だが、「レクチノーラル」は、バイオフィルムそのものを形成させないという新しいアプローチの口内ケア商品。価格は「タブレット」が60粒入り1箱4500円(税別)、「デンタルジェル」が1セット60本入り1800円(同)。11月末までは、「タブレット」のモニターキャンペーンを実施中で使用後の意見などを寄せることを条件に1800円(税別)で提供している。将来的には口内ケア市場の1割、約100億円を目標にしている。問い合わせは、http://lectinoral.com/
 
 食の科学舎は、北海道の食材を利用した商品開発を行うために2012年3月に資本金3250万円で設立された。医学生物学研究所の創業に関わりその後社長も務めた数納幸子氏が、設立した会社で大豆、黒大豆、かぼちゃのピューレをレストランやホテルなど業務用に販売している。ペーストは様々あるが、食の科学舎のピューレは、野菜の細胞を壊さずに酵素などで分解してペースト状にしており、新鮮な野菜の風味をそのまま提供できる商品。今後も機能性食品のバリエーションを増やしていく考え。

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