言い方はヘンだが、今回の道人事は極めてマニアックなものだった。一般には良く理解できず、特別な関係者しか分からないような人事が多かった。その影の主導者が退任した高井修副知事だった。2回に分けて今回の道人事を検証してみよう。(写真は、道庁本庁舎)
注目された高橋はるみ知事4期目の道人事が新聞発表になったのは5月21日。道議会閉会翌日である。特別職人事は議会に根回ししておりこれよりも1週間早かったが、いつもなら特別職に続いてポツポツ出る部長級が閉会まで報じられなかった。
これには理由がある。5月連休明けに道新、そして読売が相次いで「高井副知事退任」を報じたことに怒った知事や高井副知事がメディア取材を拒否。他の副知事以下部長クラスにも人事の内容を伝えなかったのである。たかが副知事の退任予測記事が出たくらいで大人気ない措置。最近の知事周辺はどうもおかしい。
いざ蓋を開くと驚いた関係者は多かったらしい。まず特別職だが、2年を終えた立川宏教育長の退任。これを聞いた報道関係者は、「立川さんが何かやったのか」と思ったという。知事と折り合いが悪かったという吉田洋一元教育長が3年、前教育長の高橋教一氏は4年務めている。立川氏の退任の理由が分からないのだ。人事を行った高井副知事は、「教育制度改革などがあり、頭から組織替えする必要がある」と語っているが、本当に理由はそれだけなのか。
そして下出育生建設部長の公営企業管理者登用である。これも何故、下出氏なのかが分からない。一方で、川城邦彦環境生活部長のような嘱望された人材が道庁を去っている。報道関係者の間では川城氏の公営企業管理者はあっても下出氏の名前は何処からも出ていなかった。不思議であり謎だが、一部ではその可能性は囁かれていたという。
下出氏自身、「建設部の人事はすべて高井さんに任せてあります。『俺(=高井氏)が人事をやるから』と言うので…」と自身の建設部長の職務を放棄したような発言を周囲にしていたのである。何か異様な関係である。
人事と言うのはパズルと同じ。ひとつを動かすと10も20も動かさなければならなくなることがある。今回、そのきっかけになったのが下出氏だったという指摘がある。順当なら立川留任、柴田達夫総合政策部長あるいは川城氏の公営企業管理者就任が妥当な線だが、ここに下出氏を就任させなければならない理由があれば話は別である。この場合、柴田氏、川城氏の処遇はどうにもならなくなる。辞めてもらうより仕方がないということに繋がる。(続く)