コープさっぽろ大見英明理事長「50周年・勢いをつける」 生協会総会で宣言

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 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)への商品納入企業・団体などでつくる生協会(851会員)の2015年度定期総会が9日、札幌市白石区の札幌コンベンションセンターで行われ会員約1000人が出席した。大見英明理事長は、『50周年・勢いをつける』と題して近況報告を約30分間行い、「昨年度の低迷は事業を見直す良い機会になった。50周年の今年度は次のステップに向けたキックオフの年にしたい」と語った。IMG_5739(写真は、近況を報告するコープさっぽろ大見英明理事長)

 大見理事長は、昨年度の10数年ぶりの減収減益に触れ、「当組合が進めてきた1年間52週MD(販売政策)など営業プロモーションを見直す良い機会になった。経営危機から脱して15年間以上続いた成功体験が邪魔をして商品価値の伝え方が不十分だった。硬直化した体制から脱出する良い機会になった」と事業不振をチャンスと捉える姿勢を強調した。
 
 昨年10月から総額表示を大きくする価格表記をしていたが、新年度からは従来通り本体価格を大きくすることに改めた。「価格は変わらないのに、見た目が売上げを左右することをあらためて実感した」というほど改善、昨年度の増税反動もあって5月の店舗売上高は前年同月比107・9%、客数も104・3%と回復してきた。
 
 新規組合員の加入も「絶好調」(大見理事長)で新年度(3月21日から)に入って5月12日までの42日間に1万4107人増えた。また、これまで別々だった店舗と宅配のポイントを共通化、5月1日からは全店9時開店にするなど矢継ぎ早に活性化策を実施した。
 
「店舗と宅配のポイント共通化によって、宅配利用者が近くにあるライバルスーパーを通り越してわざわざ遠くのコープ店舗まで来てくれるようになった。ポイントカードの情報ではその数は2万4000人にものぼっている」(大見理事長)
  
 さらに4月に惣菜強化のリニューアルで寿司テナントとして「一心」も導入した旗艦店ルーシー店(札幌市白石区)は、110%以上の伸びを継続、店舗全体で年商60億円を超えることが確実になったと報告した。
 
 ドラッグ事業の新しい取り組みとしてコンサルタントの指導で野幌店(江別市)をモデル店として強化したところ、4月は135%成長を果たし70数店舗で展開しているドラッグ売場にこのモデルを水平展開していくとした。
 
 また、宅配事業もポイント3~5倍の優待企画を実施、売上げは109%、客数も104%、客単価105%と好調。大見理事長は、「5月は店舗、宅配共に次のステップに繋がるいろんな財産ができた」と訴えていた。

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