土屋公三氏の「人間社長塾」第6期始まる 1人創業から上場2社を育てた経営力を開陳

経済総合

 1人創業から40数年、2社の株式上場を果たした土屋ホールディングス(HD、本社・札幌市北区)の土屋公三会長(74)が講師になってワンランク上の経営を志す若手経営者のための『人間社長塾』第6期が15日、スタートした。原則として創業3年以上、50歳までの取締役以上の経営者が対象で今期は71人(うち女性10人)が受講する。11月まで8回に亘って土屋会長の経験に基づく経営ノウハウが伝授される。IMG_4486(写真は15日に始まった土屋HD主催の第6期人間社長塾で講義する土屋公三氏)

 上場した道内の住宅不動産会社は多いが、いずれも倒産して残っているのは土屋HDくらいしかない。環境に適応した企業力がどう培われてきたのかなど、土屋会長が開発・実践してきた強い社員を作る教育プログラムを広く若手企業家たちに直接伝えるのが、この人間社長塾の狙い。受講料は無料だが、資料に利用する月刊誌の『致知』購読料などが必要。
 
 第6期の最初の講義となった15日、会場の土屋HD本社8階会議室には71人の塾生が集まり、土屋会長は『成功と失敗を分けるもの~人生観と企業使命感』をテーマに、「人の上に立つには人間力が重要だ。モノの時代には“物差し”が必要だったが、現在は心の時代で“志”が必要。皆さんの志が企業の経営や自らの人生を決めて行く」などと語った。
 
 また、「分かっている、知っているだけでは何の意味もない。初めて聞いたことは新鮮だが、聞いたことは実践していかなければ何の意味もない。経営は実践だ」と強調した。さらに、「これから3種類の人を意識して欲しい。1つ目はいろんな分野での師匠を持つこと。様々な分野に道(どう)と呼ばれる技術だけではない奥深さがある。それを学ぶためにも師匠を持つことが大事。2つ目は同業以外で経営者の仲間を持つこと。悩みを相談したり互いに刺激を受けるためにも必要。3つ目は自分の組織、部下・社員を持つこと。1人はいくら頑張っても1人。それで良いと思っている人は良いが、ワンランク上を目指そうと思っている人は自分の組織、人を持つべきだ」と響く話を連発。
 
「会社とは潰れるようにできているもの」、「理念なき利益は罪悪、利益なき理念は戯言」、「経理は経営ではない、営業も経営ではない。全体が分からないと経営ではない」など、そのほかにも心に残る言葉が経営者たちに次々と贈られた。

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